彼岸の入りとは?3月の春の彼岸の入りと9月の秋の彼岸の入りについて

彼岸の入りとは?3月の春の彼岸の入りと9月の秋の彼岸の入りについて
ご先祖の供養やお墓参りを行う「お彼岸」という行事は、夏が終わり肌寒くなる9月に行うイメージが強いと思います。 じつはこの行事、春と秋の2回行われるのをご存じでしょうか。

この記事では、年に2回行われる「春の彼岸の入り」「秋の彼岸の入り」について解説しています。 今年の彼岸の入りの時期や彼岸の入りでやるべきこと、また、やってはいけないことについてご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

彼岸の入りとは?

彼岸の入りとは?
まず、お彼岸の中でも「彼岸の入り」というのは、いったい何なのでしょうか?

彼岸の入りとは、年に14日間行われるお彼岸の初日のことであり、春のお彼岸と秋のお彼岸にそれぞれ「彼岸の入り」が設けられています。

彼岸の入りは先祖を迎え入れるための日であり、じつは、お彼岸のなかでご先祖に挨拶をするのは初日だけなんです。(現代ではお彼岸期間のいつでも良いとされています)

初日にあいさつした後の残りの6日間は、各個人が古代インドより伝わった「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の考えに乗っ取り、悟りの修業を行う日となっています。

これを前提として、ここから3月に行う「春のお彼岸」、9月に行う「秋のお彼岸」についてご紹介します。

それぞれの違いを含めて解説しているので、ひとつずつ見ていきましょう。

春のお彼岸

春のお彼岸
春のお彼岸は、春分の日を中日として、前後3日間を含む合計7日間行われます。

春のお彼岸には、お供え物として「おはぎ」が用いられることが多く、これは春に咲く「萩の花」が名前の由来となっています。 モチモチの団子を甘い味付けの餡で包み込んだ姿が、萩の花に似ていることから名付けられたと言われています。

また、現代では秋のお彼岸でお供えする「ぼたもち」も春のお供え物に使われています。

秋のお彼岸

秋のお彼岸
秋のお彼岸は、秋分の日を中日として、前後3日間を含む合計7日間行われます。

行われる内容は、ほとんど春のお彼岸と変わりませんが、昔まではお供え物に「ぼたもち」が用いられていました。

餡で包んだぼたもちにゴマをふった姿が、秋に咲く「牡丹の花」に似ていることから、その名前が付いたそうです。 また、春のお彼岸と同じように秋のお彼岸にも「おはぎ」をお供えすることがあるそうです。

今年の彼岸の入りはいつ?

今年の彼岸の入りはいつ?
2022年のお彼岸は、それぞれ次の通りです。
  • • 春のお彼岸
  • o 彼岸の入り(2022年3月18日金曜日)
  • o 中日(2022年3月21日月曜日)
  • o 彼岸明け(2022年3月24日木曜日)
  • • 秋のお彼岸
  • o 彼岸の入り(2022年9月20日火曜日)
  • o 中日(2022年9月23日金曜日)
  • o 彼岸明け(2022年9月26日月曜日)
今年の彼岸の入りはどちらも平日なので、親族で集まってお墓参りを行うのなら、事前に訪問する人数や参加者の確認を行っておきましょう。

彼岸の入りは何をする?

彼岸の入りは何をする?
お彼岸という行事は「彼岸の入り」「中日」「彼岸明け」という風に名称が分かれています。 このうち「彼岸の入り」では、どのようなことを行うのでしょうか。

つづいて、彼岸の入りに行う定例行事について解説します。 彼岸の入りはご先祖様に感謝を伝えたり、挨拶をする日ですので、ひとつずつ見ていきましょう。

お墓参り

彼岸の入りでは主に、お墓参りを行います。 お墓を管理しているお寺(場合によっては霊園)に訪問日を伝え、お寺への挨拶を終わらせたあと、先祖のお墓を訪問します。

お墓参りを行う際には、お線香やお数珠が必要ですので、事前に準備しておくのがオススメです。 なかには、お寺側でお参りの道具を用意してくれるお寺もあるため、訪問の連絡を入れる際に確認しておきましょう。

お参りの仕方

お墓参りを行う際には、細かい手順が設けられています。 詳しい動き方が分からないというのなら、ぜひ以下の手順を参考にしてください。
  • 1. 本堂でお参り
  • 2. お墓の掃除
  • 3. ロウソクを立てて火をともす
  • 4. お線香に火をつける
  • 5. お花を供える
  • 6. 水鉢にきれいな水を入れる
  • 7. 墓石に水をかける
  • 8. 合掌して挨拶する
  • 9. ロウソクやお線香、花、お供え物を片づける
  • 10. 本堂で住職に挨拶して帰宅
基本、持ってきたものは全て片づける必要があります。 野外にお墓があるにも関わらず、お供え物を置いたままにしてしまうと鳥や虫が集まりやすくなるので、必ず持ち帰るように注意しましょう。

お仏壇や仏具の掃除

「お参りの仕方」でも登場しましたが、お彼岸のお参りの際には、ご先祖のお墓をきれいにする必要があります。

野外にお墓がある場合は、水をかけてタオルなどで汚れを拭きとります。 また、屋内であれば、仏具などの埃を落とします。

掃除は目に見える汚れを落とす程度で問題ないので、挨拶前の5~10分程度の掃除を行っていきましょう。

ご先祖のお墓を訪問するのは年に数回程度です。 訪問時には掃除するアイテムを準備しておくか、お墓のあるお寺に道具を貸し出しているか確認しておくといいでしょう。

お墓やお仏壇へのお供え物

ご先祖のお墓に挨拶をする際には、お供え物を準備する必要があります。 これは、お供え物をご先祖に届けるための大切な行動ですので、お墓を訪問する際には必ずお供え物を購入しておきましょう。

お供え物の種類は豊富にありますが、主にお供えされるのは次の通りです。
  • • お花
  • • おはぎ、ぼたもち
  • • お酒
  • • ご先祖が生前好きだったもの(食べ物や道具)
屋内にお墓があるお寺の場合は、住職が片づけてくれる場所もありますが、基本的には訪問した家族がお供え物の片づけを行います。

持ってきたものは全て持ち帰るという意識をもって彼岸の入りに臨みましょう。

お彼岸にやってはいけないこと

お彼岸にやってはいけないこと
ご先祖の供養、そして悟りの修業を行う「お彼岸」ですが、この時期にやってはいけないことがいくつかあります。 いわゆるタブーと言われるものですので、ひとつずつ見ていきましょう。

婚礼儀式など人を招く行事

お彼岸の時期は、日本中の人たちがお墓参り等で忙しくなります。 そのため、お彼岸の時期に人を招く行事を行った場合、参加したくても出来ない人が出てしまう可能性があります。

招待客に負担をかけてしまう可能性があるので、この時期に婚礼儀式等を行うのは控えておきましょう。

お見舞い

お彼岸は人の死と関わりのある行事であることから、この時期に花束を持ってお見舞いに行くのは好ましくないと言われています。

縁起の悪さなども関係しますので、お彼岸の時期のお見舞いは控えておくのが吉です。

お参りでの騒音

お墓参りをする際には、まわりに他の訪問者がいるため、できるだけ静かにお参りするように注意しましょう。 親族で集まり大勢で訪問すると、つい談笑したくなってしまいますが、周りの人の迷惑になります。

まとめ

以上、春と秋の2回行われる「お彼岸」という行事の特徴やそれぞれの違い、その他、彼岸の入りの動きなどをご紹介しました。

お彼岸の中には、「彼岸の入り」「中日」「彼岸明け」「六波羅蜜」など様々な言葉が隠れています。 それぞれ特徴が異なり、その日にやるべきことが決まっているので、ひとつずつ覚えて実践してみてください。

2022のお彼岸は、春のお彼岸(3月18日~3月24日)、秋のお彼岸(9月20日~9月26日)ですので、この機会にお彼岸に参加してみてはどうでしょうか。
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