和室を気軽にDIY!土壁や砂壁に貼れる壁紙や土壁補修方法のご紹介

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自宅の中に和室があるご家庭も多いでしょう。その中でも、土壁や砂壁は防火性や調湿性などに優れますが、耐久性が低いという特徴を持ちます。

この記事では、土壁・砂壁の特徴や、ポロポロと剥げてしまいやすい土壁の補修方法、そして土壁や砂壁の上に貼れる壁紙について解説しています。和室を気軽にDIYしたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。

昔の和室でよくみる土壁とは?

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土壁は、古くから日本家屋で利用されていた壁材です。そんな日本家屋で利用されている土壁には次の3タイプがあります。
  • ・土壁
  • ・砂壁
  • ・繊維壁
それぞれ見た目や特徴が異なるので、ひとつずつ解説していきます。

土壁について

土壁とは、土や藁といった原料を混ぜ込んで作った壁のことです。壁の下地から表面まですべて同じ素材が利用されており、土によるごつごつした見た目が特徴的です。また、土の中に練り込まれた藁は、時間の経過とともに発酵が進んで壁の強度を高めてくれるので、土壁の種類の中でも高い強度を誇ります。

砂壁について

砂壁とは、土壁や石膏ボード、モルタル・コンクリートで作られた下地の表面に、薄く砂の壁を塗りこんで作る壁のことです。砂と一緒に糊が練り混ぜて作られており、ざらざらした砂の触感が特徴的です。砂壁はあまり強度が高くなく、指や爪でこするとポロポロと砂部分が剥がれ落ちてしまいます。ただし砂壁は、高い調湿性を持ち、補修が簡単だという特徴があるため、多くの和室で利用されています。

繊維壁について

繊維壁とは、紙繊維や化学繊維などを糊と水で練り混ぜて作った壁のことです。下地には土壁や石膏ボード、モルタル・コンクリートなどが利用されており、表面に薄く塗り上げてあるのが特徴です。また、繊維壁はふわふわした触り心地があり、吸音性や調湿性に優れます。ただし、繊維で作られていることから他の壁材に比べると耐久性に劣ります。

土壁のよいところ

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自然の土や砂、繊維などを利用して作られている土壁ですが、この壁材にはどのような良さがあるのでしょうか。近年では、クロスを張った真っ白な壁材が利用されるのが一般的ですが、土壁にはクロスにない3つの魅力が備わっています。土壁の魅力を知るためにも、ひとつずつ見ていきましょう。

防炎性が高い

土壁は、防火性がとても高く、火などの熱に強いという特徴を持ちます。火災といった非常時にも燃え広がりにくく、消化後には土壁が焼けずに残っている住宅も多数あります。防火性を持つ理由は「土は熱を通しにくい性質」であることが関係します。熱が通りにくいということは、火が燃え広がりにくいということであり、木造住宅の防火性の低さを補う重要な役割となります。また、住宅が燃える際に発生する有害物質を抑える効果をもつのも特徴的で、住民の避難時間を確保できるという魅力を持っています。

調湿性に優れている

土壁は、調湿性に優れる特徴を持ちます。空気中の水分を表面に蓄えたり、放出したりすることから、日本特有のジメジメとした空気による湿度を抑え、室内の空気をさっぱりしたものに変化させます。まるで呼吸するかのように水分の保湿と放出が行われていくため、調湿することによって壁材が劣化する心配もありません。この調湿性は、高い防火性にも関係しています。

アレルギー対策にも効力発揮

土壁は、アレルギー対策にも効果を発揮します。近年の住宅は「高気密・高断熱」の家が増えており、空気を自宅内に滞留させて、外に逃がしにくい構造となっています。ただ、これだと空気の循環が悪くなり、湿度の上昇によってダニはカビ、ハウスダストが発生してしまい、アレルギー症状を起こしてしまうケースがあるのです。一方、土壁は呼吸する壁であるため、空気を循環させる効果を持ちます。調湿性に優れることも含めて、アレルギーを抑えやすい部屋づくりを行えます。

土壁の補修方法

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様々な魅力を持つ土壁ですが、従来の壁材に比べると耐久力が低く、物をぶつけたり爪でこすってしまうと壁材が剥げてしまいます。そんな土壁は3つの方法で補修するのがオススメです。土壁の機能を残しつつ、おしゃれな部屋づくりを行うためにも、紹介する3つの方法で補修してみましょう。

塗装をする

土壁の自然的な色合いが好みではないなら、別のカラーリングに塗装してみるといいでしょう。ただ土壁は水分を吸収しやすいことから、直接塗料を塗りこむことができません。一旦、土壁の上に「シーラー」を塗り込み、その上から塗装を行うのが効果的です。また、土壁に凹凸ができている場合には「パテ」で埋めるのがオススメです。

漆喰を塗る

塗装による補修方法と同じように、土壁の上に「シーラー」を塗り重ねれば漆喰を塗ることができます。漆喰塗り特有のおしゃれな模様を付けたいと考えている場合や、白い壁にDIYしたいときには漆喰の利用がオススメです。塗り方次第で部屋の雰囲気を変えることができるので、自分好みのパターンで漆喰を塗っていきましょう。

壁紙(クロス)を張る

土壁の上に壁紙(クロス)を張るのも、補修方法として効果的です。近年では、低価格で購入できる壁紙が多数販売されていることから、和風の部屋を洋風に作り替えることも可能です。ただし、土壁は保湿効果があることから、粘着しにくいという特徴があります。下地処理を行ったうえで粘着させることが重要です。

砂壁に貼れる壁紙の種類法

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砂壁は、表面がざらざらしているため、壁紙を貼りやすいと考える方も多いでしょう。ですが、じつは劣化により砂部分がポロポロと剥がれるため、直接貼り付けることができません。ただ、事前に下地処理を十分に行えば、どんな壁紙の種類でも貼り付けることが可能です。砂壁の脆さの関係でDIYを諦めている方がいるのなら、次項で紹介する手順で壁紙貼りを行ってみましょう。簡単におしゃれな壁を作り出せます。

砂壁に壁紙を貼る際の手順

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ここでは砂壁に壁紙を貼る手順を3つのポイントで紹介しています。簡単ステップでDIYできるので、順番にチェックしてみてください。

下地を塗る

壁紙が張り付くようにするため、下地を塗っていきましょう。このとき利用するのは、次のアイテムです。
  • ・下地材(シーラー)
  • ・パテ
  • ・やすり
  • ・マスキングテープ
  • ・ヘラ
まず下地処理を行う範囲をマスキングテープで囲みます。つぎに壁の凹凸を無くすため、パテで凹部埋め、やすりで凸部を削り、下地が渇くまで待ちます。下地が薄いと感じた場合には、2~3回ほどシーラーを塗り重ねるのがオススメです。

下地の上に壁紙を貼る

下地が乾いたら、壁紙を貼り付けていきましょう。このとき壁紙は、裏面の粘着性のありなしに問わず、別途貼り付け用の糊を準備して、下地の上に塗布するのがオススメです。壁紙を剥がれにくくするコツですので、ぜひ利用してみましょう。

注意点

上記の手順を行う際の注意点として、砂壁がひどく傷んでいる場合には、砂壁の上にベニヤ板を貼りましょう。古い砂壁の場合、シーラーの塗布により砂壁が剥がれ落ちしてしまうことがあるので、状況に応じて動き方を変えていきましょう。

まとめ

以上、土壁や砂壁の住宅で壁紙のDIYをしたい人向けに、土壁の補修方法と壁紙を貼り付ける手順について解説しました。比較的シンプルな対応で土壁をDIYできます。また、土壁が利用された古い住宅であってもおしゃれにDIYができるので、この機会に自宅DIYにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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