時間に追われる現代だからこそ「火鉢」が人気を集めています。「ゆっくりと燃える炭を眺めながらコーヒーを楽しむ」そんな大人のくつろぎの時間を作ってみませんか。
火鉢は電気を使わないサスティナブルな暖房器具。燃料となる炭は安いので、あまりお金をかけずに楽しめるのも嬉しいポイントです。
当記事では、火鉢の使い方や注意点を解説します。「狭い部屋でも使える?」「どんな炭をつかえばいい?」など、火鉢に疑問のある方はぜひ当記事をお役立てください。
火鉢は電気を使わないサスティナブルな暖房器具。燃料となる炭は安いので、あまりお金をかけずに楽しめるのも嬉しいポイントです。
当記事では、火鉢の使い方や注意点を解説します。「狭い部屋でも使える?」「どんな炭をつかえばいい?」など、火鉢に疑問のある方はぜひ当記事をお役立てください。
目次
火鉢とは?
火鉢とは、日本古来の暖房器具です。陶磁器や金属、木材でできた器に灰を入れ、炭の燃焼によって周りを暖めます。
炭は、遠赤外線効果で体をじんわりと温めてくれます。火鉢だけで部屋全体を温めるのは難しいですが、そばにいれば芯から体を温めることができますよ。
また、五徳や網をつかえば、簡単な調理が可能です。湯を沸かしたり、餅を焼いたりするのも火鉢の楽しみ方です。
また、五徳や網をつかえば、簡単な調理が可能です。湯を沸かしたり、餅を焼いたりするのも火鉢の楽しみ方です。
火鉢の歴史
火鉢は平安時代に中国から伝わりました。当時は貴族だけが使用する暖房器具。一般庶民は囲炉裏で体を温めていました。
火鉢と囲炉裏の違いは、移動できるか否かです。火鉢は持ち運ぶことができるので、どこでも体を温めることができました。
庶民に火鉢が広く伝わったのは江戸時代です。移動式の囲炉裏として昭和中期まで、広く普及していました。
庶民に火鉢が広く伝わったのは江戸時代です。移動式の囲炉裏として昭和中期まで、広く普及していました。
火鉢を使用するのに必要な道具
火鉢をつかうためには様々な道具が必要になります。火鉢と道具をご紹介します。
火鉢本体
火鉢は炭や灰を入れる器です。素材は陶器、金属、木材などさまざまな種類があります。大きさは手のひらサイズの小ぶりなものから、大人数人が温まれる大きなものまでありますよ。柄や形もたくさんあるため、用途にあわせてお気に入りのものを見つけましょう。
灰・炭
使いはじめの火鉢には、あらかじめ灰を入れておきます。灰がないと炭までの距離が遠くなり、なかなか温まりません。
炭は火をつけて燃焼させる温かさの源。木材の種類によって燃えやすさや臭いに違いがあります。室内で使う火鉢は「室内用」の炭を用意しましょう。黒炭の「なら炭」や「くぬぎ炭」が扱いやすくおすすめです。
火起こし鍋
火起こし鍋は、ガスコンロで炭に火をつけるときに使用します。炭は火がつくまでに時間がかかるため、火起こし鍋に炭を入れてガスコンロで10分程度熱しましょう。四分の一ほど火がついたら火起こし鍋から火鉢に炭を移します。
火箸
炭を動かすのに使う鉄製の箸です。風情があり、火鉢の雰囲気を引き立ててくれます。ただし、重たい炭は火箸で持ち上げにくいです。箸自体が熱くなりやすいので、トングの方が実用性があります。
あったら便利な道具
火鉢と一緒に使うと便利な道具をご紹介します。五徳などの道具をあわせてつかうと、餅を焼いたり、湯を沸かしたりと、火鉢の用途が広がりますよ。
灰ならし
灰を均一にならすための道具です。
灰の表面を「灰ならし」でなでることで波形の模様を描くことができます。灰の模様はおもてなしの気持ちを表現する方法のひとつ。美しく整えられた火元は、心も整えてくれます。
灰ならしの溝は細かすぎても、粗すぎても美しい波模様になりません。描きたい模様にあわせて選んでください。
灰ならしの溝は細かすぎても、粗すぎても美しい波模様になりません。描きたい模様にあわせて選んでください。
五徳
五徳は鉄瓶をのせてお湯をわかすときに使います。お湯をわかすだけでなく、五徳の上に網を乗せれば簡単な焼き調理をおこなうことも可能です。
五徳は下部を灰の中に埋めて、安定した状態でつかいましょう。
五徳は下部を灰の中に埋めて、安定した状態でつかいましょう。
鉄瓶
鉄瓶とは、湯を沸かすための鉄製の容器です。
鉄瓶でお湯を沸かすと、鉄分(二価鉄)がお湯に溶けて鉄分補給ができます。お湯が冷めにくいのも鉄瓶の特徴です。
1~2人分のお湯を沸かす場合は、1Lサイズを用意しましょう。
1~2人分のお湯を沸かす場合は、1Lサイズを用意しましょう。
火消し壺
火消し壺は、炭の火を消すための道具です。燃えている炭を中に入れてフタをすることで、酸素の供給を止めて火を消します。
炭はそのままにしておくと1時間以上燃え続けることも。そばを離れる際、炭を放置するのは大変危険です。火消し壺を用意しておけば、いつでも火が消せて便利ですよ。 陶器やステンレスなど、さまざまな種類が販売されています。
炭はそのままにしておくと1時間以上燃え続けることも。そばを離れる際、炭を放置するのは大変危険です。火消し壺を用意しておけば、いつでも火が消せて便利ですよ。 陶器やステンレスなど、さまざまな種類が販売されています。
火鉢の使い方
道具が準備できたら、さっそく火鉢を使ってみましょう。火鉢を使う手順と注意点を解説します。
火鉢の中に灰を入れる
はじめて火鉢を使うときは、灰を準備しましょう。灰には炭を安定させる役割があります。灰を入れずに火鉢をつかうと炭の熱が鉢に直接伝わって危険です。
灰の量は、火鉢の6~7割くらいまで入れましょう。 炭が燃えると灰が増えていくので、入れすぎにご注意ください。鉢の上部から5㎝程度は燃えた灰が入るスペースを残しておきましょう。
灰の量は、火鉢の6~7割くらいまで入れましょう。 炭が燃えると灰が増えていくので、入れすぎにご注意ください。鉢の上部から5㎝程度は燃えた灰が入るスペースを残しておきましょう。
炭に火を起こす
灰の準備ができたら炭に火を起こします。「火起こし鍋」をつかってガスコンロで着火しましょう。
火起こし鍋に炭を入れて、10~15分程度火にかけます。火は弱火から中火にします。強火で火にかけると炭がはねて大変危険です。
なお、IHクッキングヒーターでは火がつきません。ガスコンロがないときは、カセットコンロなどを用意し、直火で火がつけられるようにしてください。
炭が四分の一ほど赤くなったら火からおろし、火鉢に入れます。 炭に酸素がいきわたるよう、すき間をあけて配置しましょう。火のついたほうを上にして、立てかけるようにおくと炭が燃えやすいです。
炭を横に寝かせたい場合は、あらかじめ灰にくぼみを作っておくと空気の通り道になりますよ。
なお、IHクッキングヒーターでは火がつきません。ガスコンロがないときは、カセットコンロなどを用意し、直火で火がつけられるようにしてください。
炭が四分の一ほど赤くなったら火からおろし、火鉢に入れます。 炭に酸素がいきわたるよう、すき間をあけて配置しましょう。火のついたほうを上にして、立てかけるようにおくと炭が燃えやすいです。
炭を横に寝かせたい場合は、あらかじめ灰にくぼみを作っておくと空気の通り道になりますよ。
余った炭の保存は炭斗
つかわずに余った炭は炭斗(すみとり)に入れて保存しましょう。炭斗とは、炭を入れておく籠状の入れ物です。
かつて、お客の前で炉を扱うときは「炭斗に炭を組む」のが礼儀作法でした。現代においても、炭斗は風情があり火鉢の趣を引き立たせてくれます。
かつて、お客の前で炉を扱うときは「炭斗に炭を組む」のが礼儀作法でした。現代においても、炭斗は風情があり火鉢の趣を引き立たせてくれます。
火鉢を使用する際の注意点
火鉢は扱い方を間違えると、一酸化炭素中毒や火災につながります。火鉢を使用する際の注意点を解説します。
火鉢を使用する際は換気のしやすい場所で
火鉢を使うときは常に換気を心がけてください。昔の家屋はすき間が多かったため、室内で火鉢をつかっても自然に換気ができました。
しかし、現代は気密性の高い家が増えたため、換気には特別な注意が必要です。火鉢は、窓際や換気扇の下など換気のしやすい場所に置きましょう。
また、鉢自体が熱くなるため周りの環境にもご注意ください。燃えやすいものが周りにないか確認し、熱に強く安定した場所に設置します。想像以上に灰がとぶので、掃除しやすい環境にしておくこともポイントです。
また、鉢自体が熱くなるため周りの環境にもご注意ください。燃えやすいものが周りにないか確認し、熱に強く安定した場所に設置します。想像以上に灰がとぶので、掃除しやすい環境にしておくこともポイントです。
火の始末は火消し壺で安全に処理
炭は種類によって1時間以上燃え続けるものもあります。そのままにしておくと大変危険です。そばを離れる際は炭を火消し壺に移してふたを閉め、しっかり消火しましょう。
まとめ
火鉢の使い方と道具について解説しました。
火鉢には身体を温めるだけでなく様々な魅力があります。オレンジ色の炎がゆっくりと燃えていく様子は、眺めているだけで心をリラックスさせてくれるでしょう。
ぜひ、生活に火鉢を取り入れて上質な時間をお過ごしください。
火鉢には身体を温めるだけでなく様々な魅力があります。オレンジ色の炎がゆっくりと燃えていく様子は、眺めているだけで心をリラックスさせてくれるでしょう。
ぜひ、生活に火鉢を取り入れて上質な時間をお過ごしください。