茶道や華道に流派や会派があるように、書道にも流派・会派というものがあります。これから書道を始めたいと考えているのなら、流派や会派の違いに関してもしっかり理解しておかなければなりません。また「なんとなく書道を始めた」という方も、自分の所属している流派や会派を理解するとさらに書道が楽しくなるでしょう。
本記事では書道の流派や会派について詳しく解説していきます。それぞれの違いや特徴を理解するのに参考にしてみてください。
本記事では書道の流派や会派について詳しく解説していきます。それぞれの違いや特徴を理解するのに参考にしてみてください。
そもそも流派や会派とは?
流派や会派という言葉を聞いたことがある方も多いでしょうが、その意味を詳しく説明できるでしょうか? 流派や会派とはそもそもどのようなものなのか知っておきましょう。
流派
「◯◯流」と表される流派は、方法や様式など流儀の違いを言い表したものです。書道には代表的な流派が9つほどありますが、そこからさらに枝分かれしている流派もありその数は数百・数千とも言われています。流派ごとに技術や技能を継承するのが一般的ですが、数百・数千もあると派生した書道の流派を明確に分けることは難しいです。そのため現在の書道において、流派という言葉自体あまり使われず、この後説明する会派で考えられることが多いです。
ちなみに書道の流派は、平安時代に活躍した藤原行成・小野道風・藤原佐理がきっかけとなったと言われています。元々書道は書いて楽しむものでしたが、この3人が活躍した時代頃からは観て楽しむものとしても広まっていきました。この3人は後一条天皇に書跡を献上した記録も残っており、今の書道が完成したのはこの3人の功績によるところが大きいでしょう。
その後飛鳥時代にはさらに書道が広まりを見せ、鎌倉時代から室町時代頃に流派が確立されたという説があります。特に藤原行成の流れを継承した4つの流派は、室町時代に最も勢いのあった流派と言われています。
ちなみに書道の流派は、平安時代に活躍した藤原行成・小野道風・藤原佐理がきっかけとなったと言われています。元々書道は書いて楽しむものでしたが、この3人が活躍した時代頃からは観て楽しむものとしても広まっていきました。この3人は後一条天皇に書跡を献上した記録も残っており、今の書道が完成したのはこの3人の功績によるところが大きいでしょう。
その後飛鳥時代にはさらに書道が広まりを見せ、鎌倉時代から室町時代頃に流派が確立されたという説があります。特に藤原行成の流れを継承した4つの流派は、室町時代に最も勢いのあった流派と言われています。
会派
会派とは書道における団体のことで、それぞれ書く文字の種類、特徴などが異なります。書道団体=会派だと覚えておきましょう。
たとえば、1946年に創設され現在日本全国に1万人前後の会員がいると言われている日本書芸院には「漢字会派」「かな会派」「篆刻(てんこく)会派」があります。漢字会派はさらに興朋会・墨滴会・雪心会・鯉水会など、かな会派は書道笹波会・一東会・正筆会などに枝分かれします。
このように会派の中でも枝分かれしていくものもありますが、大きく芸術系と教育系の会派に分けられます。これから書道を始めたいと考えている方は、まず会派を調べてどのような特徴があるのかを知るところから始めてみましょう。
たとえば、1946年に創設され現在日本全国に1万人前後の会員がいると言われている日本書芸院には「漢字会派」「かな会派」「篆刻(てんこく)会派」があります。漢字会派はさらに興朋会・墨滴会・雪心会・鯉水会など、かな会派は書道笹波会・一東会・正筆会などに枝分かれします。
このように会派の中でも枝分かれしていくものもありますが、大きく芸術系と教育系の会派に分けられます。これから書道を始めたいと考えている方は、まず会派を調べてどのような特徴があるのかを知るところから始めてみましょう。
書道の流派と特徴
ここまで解説した通り、書道の流派はかなりの数があり、なかには長い年月を経て廃れていった流派もありますが、流派について知れば、より書道の歴史・世界観を深堀りすることができるでしょう。
以下では、世に名が知られている代表的な流派とその特徴を紹介します。
以下では、世に名が知られている代表的な流派とその特徴を紹介します。
世尊寺流
最も古い流派の一つである世尊寺流は今でも知名度のある流派です。 貴族や宮廷を中心に広まった流派で、尊円寺流を始めた法親王も世尊寺流で書道を学んでいたと言われています。
流派の名前となっている世尊寺は藤原行成が大名親王の邸宅内に建立した寺のことで、子孫が代々暮らしてきました。 平安時代より藤原行成によって生まれた流派ですが、室町時代に世尊寺流最後の当主が亡くなったのと同時に、世尊寺流自体も途絶えてしまいました.世尊寺流はもう残っていない流派とはいえ、日本の書道の発展に大きく貢献した流派です。
流派の名前となっている世尊寺は藤原行成が大名親王の邸宅内に建立した寺のことで、子孫が代々暮らしてきました。 平安時代より藤原行成によって生まれた流派ですが、室町時代に世尊寺流最後の当主が亡くなったのと同時に、世尊寺流自体も途絶えてしまいました.世尊寺流はもう残っていない流派とはいえ、日本の書道の発展に大きく貢献した流派です。
尊円流
尊円流は、世尊寺流で学んだ尊円法親王によって誕生した流派で、世尊寺流の流れを継承しています。 当時は武家の公的文書が御家流の草書体で書かれることが多く、その影響で全国的に広まりました。また寺子屋でも尊円流の書風がよく用いられていました。
始祖である尊円法親王の名前をとって尊円流と呼ばれていましたが、室町時代に入ると書風が青蓮院の寺の住職たちに継承されたことで、青蓮流と呼び名が変化しています。 江戸時代以降は御家流と呼ばれるようになり、書風は後に尊朝流や有栖川流に受け継がれていきます。
始祖である尊円法親王の名前をとって尊円流と呼ばれていましたが、室町時代に入ると書風が青蓮院の寺の住職たちに継承されたことで、青蓮流と呼び名が変化しています。 江戸時代以降は御家流と呼ばれるようになり、書風は後に尊朝流や有栖川流に受け継がれていきます。
法性寺流
藤原忠通によって始まった流派が法性寺流です。鎌倉時代に栄華を極めた流派で、時代を象徴する書風の一つです。 平安三跡と呼ばれた藤原行成や小野道風の影響を受けた藤原忠通は、優雅さと雄大さを感じさせる書風で、法性寺流を広めました。 藤原忠通が法性寺関白と呼ばれていたことから、流派の名前がついています。
持明院流
持明院流は、世尊寺流十七代世尊寺行季が1529年に亡くなった際、後奈良天皇が持明院基晴にその書風や技術を継承したことで生まれた流派です。 日本式の書を愛した徳川家康によって、江戸時代に幕府の公文書を書く際の書法として用いられた流派として知られています。 江戸時代に広まり隆盛を極めた流派ですが、明治維新の際に公文書を書くにはふさわしくない書風とされてしまい徐々に衰退していきました。
有栖川流
有栖川流は現存している流派で、宣仁親王妃喜久子によって秋篠宮文仁親王・正仁親王妃華子に受け継がれています。 尊円流の流れを汲んでおり、江戸時代後期に有栖川宮第5代・職仁親王によって始まった流派です。 その後代々受け継がれ、第8代幟仁親王によって大成します。 明治以降も代々皇族に受け継がれ、幟仁親王のあとは、威仁新王妃慰子、徳川實枝子、宣仁親王妃喜久子の親子三代によって継承されていきました。
禅林墨跡
日本の書において、禅宗の高僧による筆跡を禅林墨跡と呼びます。禅林墨跡は禅の精神を現した独特の書風で注目され、観賞用の書としても人気を集めました。
尊朝流
尊円流から派生した尊朝流は、伏見宮邦輔親王の子・尊朝法親王によって成立した流派です。尊朝流は、御家流の元となった流派と言われています。
竹峰流
竹峰流は名前の通り、竹の根を筆にしていることが大きな特徴です。日本の長い書の歴史の中では比較的新しい流派として知られており、1980年頃に望月秋羅によって生まれた流派です。 毛筆よりも耐久性がある竹の根は、独特のかすれを作り出し、文字を書いても絵を描いても趣のある書風として知られています。
光悦流
装飾性に富んでいる書風が特徴の光悦流は、平安時代の古筆が元と言われている流派です。 桃山から江戸時代の初期にかけて書道や工芸など幅広い分野で活躍した本阿弥光悦が祖先の和様書道の一つです。
書道の会派と特徴
書道の流派を紹介しましたが、書道を始める上で重要となるのはどの会派に属するかです。多くの書道教室も会派に属しています。ここでは有名な会派をいくつかご紹介いたします。書道をしていく上でぜひチェックしてみてください。
公益社団法人日展
明治40年に開催された第1回文部省美術展覧会が始まりとなり、そこから名前を変えながらも日本の芸術界を牽引する存在となっている日展。日展は書道だけでなく、西洋の幅広い芸術を扱っています。
書道に関しても、日本の書だけでなく中国から伝来した文化を展示しているのが特徴です。通信講座や講義などはほとんど行われませんが、書道や美術を発展させるためのワークショップなども多数開催されています。鑑賞する書道の楽しみに力を入れている芸術系の会派です。
書道に関しても、日本の書だけでなく中国から伝来した文化を展示しているのが特徴です。通信講座や講義などはほとんど行われませんが、書道や美術を発展させるためのワークショップなども多数開催されています。鑑賞する書道の楽しみに力を入れている芸術系の会派です。
創玄書道会
昭和24年に結成された随鴎社が創玄書道会の元となっています。日本の長い歴史の中で継承されてきた美しい言葉や俳句・随筆などを書によって表し、書道がより親しみやすくなるように活動しています。
現在でも書道の技術を磨くだけでなく、書道の楽しさを大切にしているのが特徴です。全国に創玄書道会の書道教室があり、老若男女問わず書道を楽しんでいます。
現在でも書道の技術を磨くだけでなく、書道の楽しさを大切にしているのが特徴です。全国に創玄書道会の書道教室があり、老若男女問わず書道を楽しんでいます。
日本総合書道院
昭和33年に書道家・三室金羊によって始まった日本総合書道院。文部省の認可を受けて社団法人化してからは、日本だけでなく海外でも書道が普及するように活動を続けています。書道を通しての海外交流も活発に行っており、学生部は毎年中国派遣を行って、書道を通した異文化交流を行っているのが特徴。
高野山で開催される競書大会にも毎年参加するなど会員が書道を通して社会と触れ合えるイベントにも力を入れており、楽しむだけでなく書道を通しての人との触れ合いやコミュニティの形成にも尽力しています。
高野山で開催される競書大会にも毎年参加するなど会員が書道を通して社会と触れ合えるイベントにも力を入れており、楽しむだけでなく書道を通しての人との触れ合いやコミュニティの形成にも尽力しています。
日本習字教育財団
「正しい美しい愛の習字」を理念として生まれた日本習字教育財団は、多くの会派の中でも特に会員が多く、広く知られている会派です。教育の一環として書道を普及させ、その活動は海外でも行われています。
日本全国にある日本習字の書道教室は、お住まいのエリアでも見つけやすいでしょう。博物館や展覧会なども運営しており、日本習字の書に触れる機会は多くあります。
日本全国にある日本習字の書道教室は、お住まいのエリアでも見つけやすいでしょう。博物館や展覧会なども運営しており、日本習字の書に触れる機会は多くあります。
本書作家協会
国内外に2500名以上の会員を抱える日本書作家協会は、一流の講師陣によって書道の普及を行なっている会派です。書道の展覧会などで審査員を務める書家も多く在籍しています。
多くの書道団体が大人向けに通信講座を行っている中、日本書作家協会では子ども向けの通信講座を開講。子どもを対象とした展覧会やイベントも多く開催しており、若手の育成に力を入れている団体です。
多くの書道団体が大人向けに通信講座を行っている中、日本書作家協会では子ども向けの通信講座を開講。子どもを対象とした展覧会やイベントも多く開催しており、若手の育成に力を入れている団体です。
書道を始めるときは会派に注目してみよう
書道の世界においては、流派よりも会派が重視されています。会派は書道団体と呼ばれることもありますが、会派ごとに特徴があるためどこで書道を習うかによって書道への向き合い方が変わってくるはずです。
これから書道を始めたいと考えている方は書道の会派の方針に注目して、自分に合った会派を見つけましょう。展覧会などに足を運んで各会派の書風を実際に見てみるのもおすすめです。
これから書道を始めたいと考えている方は書道の会派の方針に注目して、自分に合った会派を見つけましょう。展覧会などに足を運んで各会派の書風を実際に見てみるのもおすすめです。