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井戸掘り(さく井工事)の手順
さく井工事とはさく井に必要な機械を使って行う工事のことで、ボーリング工事とも呼ばれます。専用の機械を使い、場合によってはさく孔(爆薬を使う作業)を伴うなど、大掛かりな工事になるため、ある程度まとまった費用が必要になります。また、500万円以上かかる工事を行う際は、施工業者に建築業許可が必要になり、これを破ると場合によって懲役を伴う罰則や300万円以下の罰金刑が課されます。
井戸掘りの費用相場:さく井工事
DIYでさく井工事を行う場合、一般的に30万円〜100万円程度が費用の目安になります。
さく井工事の費用は井戸の深さで変動する
先端にドリルのついた専用の機械を使って行うボーリング井戸工事を行う場合、費用は掘削する深度によって費用が変わります。一般的に20mほどで30〜50万円、50mで60〜100万円ぐらいが目安になります。
飲料水として利用したい場合は?
DIYで設置した井戸水を飲料水や生活用水として利用したいとお考えの場合の注意点です。 ポンプ設置後水が湧くようになってもその水が、飲料水に適しているかどうか水質検査を受けましょう。水質検査については最寄りの保健所で問い合わせてみてください。仮に保健所の検査で異常がなかった場合でも、環境の変化などで食中毒や感染症につながるような病原菌が混入する場合もあるため、心配な方は消毒設備や浄水器などを設置されるのもオススメです。
井戸掘りの費用相場:メンテナンス
水道水の場合使用料だけで良いのですが、井戸水の場合には設備のメンテナンス費用を自己負担する必要があります。専門の業者にお願いした際の一般的な費用は2万円〜が目安になります。メンテナンス内容は、井戸内の洗浄やフィルターの掃除、交換などです。ランニングコストを抑えたい場合、定期的にメンテナンスを行うことで早期に補修点を発見し対処するが肝心です。こちらもご自身で行うことができれば基本的にはパーツの交換費だけになります。
井戸掘り(さく井工事)の方法・種類
井戸のさく井工事は大きく分けて3つの方法(パーカッション工法、ロータリー工法、エアーハンマー工法)があります。それぞれメリット、デメリットがあるため、掘る深さや、地下地質、作業スペース、予算などを検討して選択しましょう。
パーカッション工法
もっとも歴史のあるさく井工法で、ワイヤーロープの先端にワンビットと呼ばれる重量のあるパーツを取り付け、ロープを上下させることでワンビットを地面に打ち付けながら地層を崩し掘削します。比較的柔らかい地層を掘削する際に用いられ、少人数かつ短時間で設営可能ですが、進行スピードは遅く、騒音や振動も大きくなります。
ロータリー工法
先端に取り付けたビットと呼ばれる刃先を回転させて、掘り進める工法です。浅い井戸からの深い井戸まで掘ることが可能な工法で様々な地層の井戸に対応していることが特徴。他の工法と比べて騒音が出にくく、静かな上、工事期間は短くて済むため、市街地で井戸掘削する場合に適しています。反面、掘削時に使う泥水の処理費用や他の工法より人件費多めです。
エアハンマー工法
エアーハンマー工法はビットに圧縮空気による圧力とピストンの重量でビットに打撃を与え掘削する方法です。他の掘削方法に比べ、進行スピードが早い点が特徴的です。体積地層のほか、硬質な岩盤地層の掘削にも適しています。
井戸掘りの工事期間はどのくらい?
井戸掘りの工事期間は井戸の規模や深度、工事方法によって変わりますが、一般的には7日〜10日程度で水が湧き出てくるとされています。
所有地なら井戸掘りに申請は必要ない?
井戸掘り工事に関する申請の他、井戸水を組み上げることに関する許可申請、井戸水を下水道に流すことに関する許可申請、井戸水を引用することに関する許可申請などは各都道府県の自治体によって定められていますのでホームページなどで確認書ましょう。 また自治体によっては設置した井戸を防災井戸として申請することで補助金を受け取れる場合もあるようです。
井戸水の使い途は
浅井戸であれば、花壇や家庭菜園のための水としてや、車の洗車などにも使えます。また下水に流すように設備を整えれば、洗濯、トイレ、炊事、お風呂など生活水として利用することができます。また地下水は水道水に比べて通年で一定の水温に保たれており、一年を通して気温や季節に関わらず安定して使える点もメリットになります。その他、地下水は水道水のようにカルキが含まれていないため、美味しく飲めます。また大規模な災害などで水道水が断水してしまった、停電してポンプが動かせないといった最悪の場合も、メインポンプのサブとして手押しポンプを設置しておけば自力で水を確保することができ、衛生面のリスクマネージメントとしての利点も考えられます。
井戸水を使うなら水道料金はかからない?
水道の代わりに井戸水を利用する場合、水道料金はかかりません。ただし水を汲み上げるために使うポンプの電気代のみしかかからないので非常に経済的です。
井戸水は水道水よりコストが安い?
水そのものに対して費用は発生しないので実質タダになりますが、地下水を組み上げる為のポンプを稼働する電気料金が必ずかかります。
井戸掘り前の調査はどうする?
実質無料で水を使うことができ、災害時に備えても有用な井戸の利用価値について説明しましたが、最後に一番大切なポイントは「地下に水があるかどうか」という当たり前の問題です。特にDIYで掘る場合は要注意です。とにかく水源に当たるまで闇雲に掘っていっても良いのですが、例えば5m、10mと労力を惜しまず費やしてもそもそもそこに水がなければそれは徒労になってしまいます。まずは掘り始める前に井戸を作ろうと思われる場所をよく知ることが肝心です。そこに水源がありそうなのか、掘っていくのに適した土壌なのかなどの情報を得るためには、国土交通省の発表しているその土地一帯のボーリング調査のデータを調べましょう。このデータからは周辺の深度ごとの地質や、層の厚さなどを知ることができ、地質状況から含水量、ひいては水脈の可能性をある程度推測することができます。