和室の天井板を張り替えでリフォーム。費用と注意点をご紹介

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和室をリフォームしたいと考える方も多いでしょう。とくに木造住宅などは経年劣化によって天井版が傷むことが多いので、定期的な補修やリフォームが大切です。

そこでこの記事では、天井版の張り替えにおいて考えるべきポイントとして、和室天井形式の種類、リフォームにどれくらいの費用がかかるのか、またDIYで天井版を貼り替えするときに注意すべきポイントを解説しています。天井板の張り替えの安全性確保や処理作業についても紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

天井板の張り方にも種類があります

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和室天井板の張り替えといえば、ただ木板を交換するだけで良いとイメージする方も多いでしょう。じつは和室天井板、以下に示す4種類のように住宅の天井によってデザインが異なります。
  • ・竿縁(さおぶち)天井
  • ・目透かし天井
  • ・格(ごう)天井
  • ・打ち上げ天井
それぞれ天井形式や見た目が異なるため、ここでは各種天井板の張り方の特徴を解説しています。天井のデザインを変えずにリフォームしたいなら、自宅の天井がどれに当てはまるかチェックしてみてください。

竿縁(さおぶち)天井

竿縁天井とは「竿縁(または吊り木、野縁下)」と呼ばれる細い木材を均等に並べ、天井板を支えるつくりの天井です。日本の伝統家屋に利用されている工法であり、多くの和室天井が竿縁天井に該当します。この天井形式のつくり方はシンプルで、まず竿縁を床の間に平行になるように均等に配置し、その上から天井版を竿縁と交差するように敷き詰めていきます。竿縁は固定されていますが、天井版はそのまま置かれているだけの場合が多く、持ち上げることによって天井裏を確認できます。

目透かし天井

目透かし天井とは、天井板の板と板との間に目地(小さな溝)を作り、透かして張り合わせたつくりの天井です。従来、天井板の目地を合わせることによって一体感のある天井が作られますが、少し余裕をもたせて目地を模様に見立てることによって、おしゃれな天井を生み出せます。
また、目地は次の項目を意識することによりデザイン性が大きく変化します。
  • ・幅
  • ・深さ
  • ・間隔
  • ・材質
職人の技が光るポイントです。DIYを行う際には寸法をしっかり決めたした上で配置しないと、不格好な天井になるので注意しましょう。

格(ごう)天井

格天井とは、格子状に並べた格縁を用い、その上に正方形の板を並べたつくりの天井です。格天井は、長方形の長い木材を使わず正方形に切り分けて配置するのが特徴的な天井であり、格式が高い住居などで好まれて利用されています。また、日本だけでなく中国や台湾といったアジア諸国でも利用されている天井形式であり、寺院の多くは格天井で構成されています。木板は、それぞれ木目方向が異なるように配置されているなど、おしゃれで格式高い和室づくりに活用できます。

打ち上げ天井

打ち上げ天井とは、天井裏に吊り木と野縁を設置し、そこに天井板を打ち上げるつくりの天井です。他の天井形式とは異なり、シンプルに木板を敷き詰めて作る天井であることから現代風の天井としてよく利用されています。近年では、木材の他にも縁甲板・羽目板・石膏ボードなどが利用されており、ビル天井などにも利用されている工法です。

和室天井のリフォーム費用

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リフォーム業者に和室天井板の張り替えを依頼しようと考えている方も多いはずです。ここで気になるのが、リフォーム費用の相場はどれくらいなのかということです。そこで、まず結論からお伝えすると、一般的な和室天井の貼り替えは「8万~10万円」で依頼できます。(天井板の種類・グレードや室内の広さで価格は変化します)

この費用には、次のような工事項目が含まれます。
  • ・養生費用
  • ・材料代(天井板など)
  • ・人件費
  • ・諸経費(交通費、廃材処分費など)
天井の張り替えの多くは、数人の職人が約1日程度で完成させてくれるのがほとんどです(面積によって材料日や日数が変化します)。そこで、まずは「8万~10万円」という金額を目安にリフォーム業者に見積もりを取ってみましょう。3件ほど見積もりを取り、その中で費用が安い場所やクチコミ評価が高い場所を選んでいくのがオススメです。

また、できる限り天井リフォームの費用を抑えたいなら、天井板ではなく天井クロスに張り替えすることで費用が抑えられます。和室の和風らしさの変化を気にしないなら、将来のメンテナンス費用も考慮し、天井クロス張り替えも検討してみてください。

DIYで和室天井リフォーム時の注意点

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リフォーム業者に、和室天井板の張り替えを依頼すると大きな費用がかかります。そのため、できる限り費用をかけずに張り替えを行いたいと、DIYで和室天井のリフォームを行う方も多いでしょう。近年ではDIYによって自宅をリフォームする人が増えているため、実際に挑戦してみたいと考えている方も大勢います。

ただ、自分で作業するときには危険が伴います。そこで、天井という場所をDIYするときに気を付けるべき注意点を3つご紹介します。安心安全に和室天井のDIYを完了するためにも、事前にチェックしておきましょう。

安全に配慮して2人以上で

天井は人の身長だけでは手が届かないため、天井板の張り替えには脚立など足場を利用する方が多くいます。つまり不安定な状態で高い場所の作業を行うので、1人で作業するのは危険です。足を滑らせて転倒したり、天井板の持ち運びの手間を解決するため、DIYを行う時には安全に配慮して2人以上で動くのがオススメです。1人が天井の作業をし、もう1人が足場を支える。それだけで安全な作業ができるようになるので、家族や友人など、協力者を募ってみてはいかがでしょうか。

電気配線には触らない

住宅によっては、天井裏に電気配線が通してある場所もあります。電気配線はゴム製の筒に入れられているため、触っても問題ないと思われがちですが、なかには経年劣化によりゴムが破れていたり、むき出しになっていたりする場合があります。むやみに触ってしまうと感電の危険があるので、電気配線には触らないように注意してください。また、作業の関係でどうしても電気配線の移動が必要なら、電気配線の移設だけ専門業者に依頼するのがオススメです。初心者では対応できない部分はプロに任せていきましょう。

廃材処分についても事前に確認

和室天井板の張り替えを行うということは、既存の天井板を取り外し、処分する必要があるということです。撤去した天井板は廃材として処分するのが一般的ですが、廃材処分の受入地の情報を事前に確認しておかないと失敗してしまうケースがあります。じつは廃材処分の受入地、場所によって対応時間や対応材料、費用などが異なり次のようなトラブルになることも。
  • ・処分材料を受け入れてもらえなかった
  • ・一部だけ持ち帰りとなった
  • ・受入地が予想よりも早く閉まっていた
  • ・予想よりも高額な処分費がかかった
事前に廃材処分受入地の情報を調べておけばスムーズに処分作業を行えるので、張り替え作業にとりかかる前にチェックしておきましょう。

まとめ

以上、和室天井板の張り替えをしたい人向けとして、4種類の天井板の特徴やリフォーム業者に依頼するときの工事相場、そしてDIYで張り替えした人向けとして作業時の注意点を解説しました。

和室の雰囲気づくりに大切な天井は、天井形式の種類によって印象が大きく異なります。このとき、リフォーム業者に依頼するのなら、複数会社に見積もりをもらい比較するのがオススメです。また、DIYを行うなら安全性や事前確認をしっかりと行いましょう。近年では自宅リフォームをDIYする人が増えているため、予算を抑えるためにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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