床の間をおしゃれに取り入れたい。有効活用のルールや方法を解説

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昔ながらの日本家屋に設けられている床の間、この部分の利用方法が分からず持て余している方も多いでしょう。もし床の間におしゃれを取り入れて、和室の雰囲気アップを行いたいなら、床の間の活用方法を覚えておきましょう。

この記事では、床の間の特徴や4つの活用方法、また収納スペースに変更する方法について解説しています。空いているスペースを便利に利用するためにも、ぜひチェックしてみてください。

そもそも床の間とは?

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「床の間」とは、いったいどのような場所なのでしょうか。ここでは、床の間がある意味を知らない人向けに、床の間がもつ特徴を詳しく解説します。和室に小さなスペースを設けることには、しっかりとした理由があります。床の間が生まれた起源も含めて解説するので、ひとつずつ見ていきましょう。

床の間の意味

床の間は「床」という名称がつく通り、座る場所やくつろぐ場所という意味を持ちます。床の間の起源は諸説ありますが、もっとも有名なのが、貴族といった身分の高い人が座る場所として利用されていたというお話です。

たとえば、自宅に身分の高い人を呼び、もてなす機会があれば、床の間に座ってくつろいでもらう。また、その場所に掛け軸や花瓶といった装飾を施すことによって華やかさを演出するなど、もともとは人が座る場所として利用されていました。ただ時代の流れに伴い、身分制度の廃止や海外文化の流入などによって、床の間でもてなすという文化がなくなりました。現代で利用される床の間は、掛け軸や花瓶を飾るだけとなっています。

床の間の種類

床の間と言えばどの家庭も同じデザインをしていると思われがちですが、いくつか種類があるのをご存じでしょうか。床の間の種類は次の通りです。
  • ・本床(ほんどこ)
  • ・蹴込床(けこみどこ)
  • ・踏込床(ふみこみどこ)
  • ・袋床(ふくろどこ)
  • ・洞床(ほらどこ)
  • ・釣床(つりどこ)
  • ・織部床(おりべどこ)
  • ・置き床(おきどこ)
もっとも一般的なのは、本床です。小上がりの空間を囲むように壁があるレイアウトをしており、多くの日本家屋で見かけます。また、他の種類も似たような構造となっていますが、洞穴型になっている「洞床」や、床の間の空間自体をそぎ落とした「織部床」など面白い作りのものが多くあります。

床の間のルール

床の間には次のルールが設けられています。(現在ではなくなっているルールです)
  • ・身分が高い人を座らせる
  • ・招いたお客様だけを座らせ、自分たちは座らない
床の間は、訪問した身分の高いお客様をもてなす場所であることから、そのルールから外れた動きは全てルールに反します。また、床の間の飾りつけにもルールがあるように思われがちですが、飾り付けには特にルールがありません。その家独自の飾り付けができるので、お客様に自慢できる掛け軸、花瓶、お皿などの骨董品などを飾ってみましょう。

床の間の活用方法

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古くから、身分が高い人たちをもてなすために設けられていた床の間ですが、現代ではこの利用頻度が減り、床の間の空間を持て余しているご家庭も多くあります。ここでは、次の2項目に分けて床の間の活用方法をご紹介します。
  • ・おしゃれに飾る活用方法
  • ・収納場所とする活用方法
和室で構成される床の間を活かす方法を解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

床の間をおしゃれに飾る

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床の間には、次のような骨董品を飾り付けます。
  • ・掛け軸
  • ・花瓶
  • ・お皿
このとき、飾り方や見せ方のポイントが複数あるので、4項目に分けてご紹介します。

床の間と掛け軸について

床の間と言えば、掛け軸が欠かせません。奥まった空間の中心に掛け軸を飾ることによって和室の雰囲気を華やかにできます。床の間では、お客様をもてなす他、結納、親族との集まりなど、プラスのイメージである「ハレ」の要素が濃く出ます。掛け軸はその「ハレ」の要素を高める効果があり、和室の格式を一段と高く見せることができます。近年では照明を取り入れて掛け軸を照らす演出が取り入れられることが多くあります。

おしゃれな掛け軸

床の間は、ただ掛け軸を設置するだけでなく、おしゃれな掛け軸を選ぶことが大切です。掛け軸選びで意識したいのが、相手にどのような印象を与えられるかということ。たとえば、文字が描かれた掛け軸を飾る場合には、訪問者が掛け軸を読みやすくするように小さすぎない掛け軸を選ぶのがオススメです。また、絵が描かれた掛け軸を設置する際には、掛け軸の縁部である「廻し」「天・地」が落ち着いた色味のものを選ぶと、絵のインパクトを引き立てる効果があります。

近年では、骨董品店や展示会の他、ECサイトでも掛け軸を購入できます。現代風のおしゃれな掛け軸も多数販売されているので、好みの掛け軸を購入してみましょう。

床の間飾りの配置について

掛け軸や花瓶といった床の間飾りは、ただ配置するだけでなく大きさや色味、配置間隔などを意識するのが重要です。たとえば、掛け軸と花瓶を設置してある床の間において、掛け軸をメインに見てもらいたいにも関わらず花瓶の色を奇抜にしていては、花瓶ばかりに目が行ってしまい、目的から逸れてしまいます。

また床の間の幅が狭いにも関わらず、巨大な花瓶を設置してしまうと圧迫感を感じます。このように、配置するアイテムの色味や、床の間の面積とアイテムの大きさを意識することが見栄え良い床の間をつくるコツです。
また、複数のアイテムを飾る際には、物同士が重なり合わないように注意しましょう。

床の間がおしゃれに見える飾り方

床の間の飾りつけは、特にルールが決められていません。そのため、自由に飾り付けができるのですが、おしゃれな床の間を作りたいなら以下のポイントを押さえて飾り付けするのがオススメです。
  • ・左右対称
  • ・物同士の余裕
  • ・大きさのバランス
床の間は、左右対称を意識して飾るとおしゃれな見栄えとなります。掛け軸を床の間の中心に飾ることはもちろん、小上がり部に物を置く際には、1つなら中心、2つなら等間隔の余裕を取り配置しましょう。また、大きな掛け軸を設置するなら小さな花瓶を選んだり、細めの掛け軸なら大きめの花瓶を選ぶという風に、バランスをいしきすることでおしゃれな床の間を作りやすくなります。

床の間を収納に変えて有効活用!

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もし床の間を使わずにデッドスペースになっているのなら、生活の一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。近年では、床の間を収納スペースに利用する家庭も増えています。床の間に収納棚を設置すれば、和室の畳スペースを侵食せずに収納が行えます。また、奥まったつくりである「本床」の場合、DIYで木板を取り付け、自作の棚を作ることも可能です。もし人から見えないようにしたいなら、すだれを設置することも可能ですので、いろんな方法で収納スペースに変身させましょう。

まとめ

以上、床の間の概要と活用方法について解説しました。訪問者をおもてなしする空間である床の間にはいくつもの種類があり、時代の変化によって人が座る場所から飾り付けを行う場所へと変化していきました。もし、床の間の飾りつけにこだわりたい方や生活の一部に取り入れたいと考えている方がいらっしゃるのなら、本記事でご紹介した方法を参考に床の間に手を加えてみてはいかがでしょうか。
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