和室の書院とは?種類や違いについて説明

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院とは床の間の横側に設置する座敷飾り 書院と聞くと、どのようなものをイメージするでしょうか。 書院とは何かについてと、書院の種類や違いについてご説明します。

書院とは床の間の横側に設置する座敷飾り

書院は、床の間の横側に位置する座敷飾りのことを示します。書院を取り入れた住宅の形式のことを書院造とも呼びます。 室町時代から江戸時代の初め頃に誕生した書院造は、現在も残っている日本の建築様式のひとつです。 特徴としては障子窓があり、現代においては掛け軸などを飾る場所として使われています。 書院は、掛け軸や置物などを飾ることで趣のある雰囲気を作り出してくれるものですが、元々は「書斎」として活用されていました。 書物を読むための場所として使われていたため、書院の障子窓は書物が読みやすいよう日の光を差し込ませるためのものとして機能していました。 しかし、現代では書斎の意味合いは薄くなり、部屋を和風テイストにするためや、床の間に明かりを取り入れるものとして活用されています。 時代とともに、書院が機能する意味は変わりましたが、書院は床の間の一部として和室の空間を形成する大切なものです。 床の間や障子、縁側、玄関も書院造から生まれたものであり、書院造のさまざまな要素は現代の住宅に継承され、和風住宅の基本となっています。

書院の種類は2つ!付書院と平書院の違いを紹介

書院は、床の間に日の光を取り入れて和室を味わい深い雰囲気にしてくれるものです。 書院の種類によってどのような違いや特徴があるのでしょうか。 書院の形式は「付書院」と「平書院」の2種類に分類できます。 それぞれの書院について解説します。

付書院

付書院(つけしょいん)は書院の中でもオーソドックスかつスタンダードな形式です。 付書院は別名「出書院(でしょいん)」とも呼ばれ、座敷から縁側に出窓のように張り出した形をしています。 付書院には、和テーブル程の高さの棚が取り付けられており、明かり障子が立てられています。 元々は「出文机(いだしふづくえ)」として貴族が書物を読む際に使用していました。 出文机は膝が入るスペースがありましたが、現在ではデザインの変化に伴い塞がれていたり地袋が設けられていることが多いです。

平書院

平書院(ひらしょいん)は付書院の形式を省略したものです。 平書院の特徴は明かり障子のみが取り付けられている点であり、付書院のような棚板はなく、形も出窓のように張り出していません。 平書院は、格式の高い和室よりも和モダンな雰囲気の部屋を作りたいときに適しています。 現代の住宅スタイルに合わせて、落ち着きのある空間を生み出せるでしょう。

書院の種類は以上の2種類ですが、書院に欄間を取り付けると「書院欄間」という呼び方をします。 欄間とは、座敷と縁側の境である鴨居の上に設けられる開口部のことですが、書院に設置することで、採光や換気の効果が期待できます。 装飾として活用される欄間には数多くのデザインがありますが、書院欄間に用いられるものは一般的な欄間と同じです。 例えば「組子欄間」「筬欄間」「透かし彫り欄間」「彫刻欄間」などがありますが、基本は自由に好きな形のデザインで良いです。

書院造が用いられている日本の歴史的建造物

書院は床の間の横に設けられている座敷飾りのことだとご説明しましたが、書院造は畳が敷き詰められている座敷、間切りのための襖や障子、付書院、天袋、地袋などが特徴的な建築様式です。 書院造の代表的な日本の歴史的建造物を2つご紹介します。

二条城二の丸御殿

世界遺産にも登録されている京都の「二条城」は、1603年(慶長8年)に徳川家康が天皇の住む京都御所の守護と、将軍上洛の際の宿泊所のために築き上げました。 中でも「二の丸御殿」は、全6棟が立ち並ぶ御殿で「白書院」と「黒書院」は書院造です。 また、大広間にある一の間と二の間も、床の間、違棚、付書院、帳台構など、書院造の特徴が取り入れられており、現存する貴重な建造物です。

銀閣寺東求堂

銀閣寺は、足利義政の山荘として建てられたものですが、義政の没後に寺として改められたもので、現在は国宝に指定されています。 義政を祀るために作られた東求堂(とうぐどう)の一室である書院同仁斎(どうじんさい)は襖や付書院が用いられており、初期段階の書院造として有名です。

書院を取り入れて本格的な和室を

書院は歴史で聞いたことがあるくらいのイメージしかない人も多いかもしれませんが、書院造は現在の和風住宅の原点となるものです。 書院には「付書院」と「平書院」の2種類があるので、今日の住宅様式に合わせた書院造を和室に取り入れると良いでしょう。 書院造の特徴を活かすことで、情趣のある空間を作り出すことができるのではないでしょうか。
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