飲み物をこぼした、子どもが汚した、なんとなく皮脂汚れが気になる。ラグやカーペットは肌が直接触れるため、寝具と同じくらい汚れがたまります。
とはいえ大きくて重いラグを洗うのは腰が重いもの。まず確認すべきは「洗えるかどうか」です。洗えないものを無理に洗うと、縮み・色落ち・型崩れが起きて元に戻りません。
この記事では、洗濯表示の見方から洗濯機・浴槽・コインランドリーそれぞれの手順、乾かし方、洗えないラグの手入れまでをまとめました。
まず「洗えるかどうか」を確認する
洗濯表示を見る
ラグの裏側や縁に付いているタグを確認してください。判断の基準になるのは次の記号です。
- 桶のマーク:家庭で水洗いできます。中の数字は上限の水温です
- 桶に手が入ったマーク:手洗いのみ。洗濯機は使えません
- 桶に×:家庭では洗えません。クリーニング店に相談します
- 丸にP・F:ドライクリーニングができます
表示が見当たらない、擦れて読めないという場合は、洗わずにクリーニング店で相談するほうが安全です。
素材別の目安
表示が確認できないときの参考として、素材ごとの傾向を挙げます。
- ポリエステル・アクリルなどの化繊:洗えるものが多い。乾きも早い
- 綿:洗えるが縮みやすい。乾燥機は避ける
- ウール:基本的に家庭では洗えない。縮絨(しゅくじゅう)といって固く縮みます
- い草・竹などの天然素材:水洗い不可。乾拭きと陰干しで手入れします
- 裏面が滑り止め加工のもの:加工が剥がれることがあるため要確認
洗う前にやっておくこと
- 掃除機をかける:砂やホコリを落としてから洗うと、繊維の傷みが減ります
- 色落ちを確認する:目立たない場所に洗剤を薄めたものを付け、白い布で押さえて色が移らないか見ます
- 部分汚れを先に処理する:シミがある場合は中性洗剤で叩いておきます
洗濯機で洗う手順
まず洗濯機の容量を確認してください。ラグは乾いた状態で2〜5kgあり、水を含むとさらに重くなります。ラグの重さの倍以上の容量が目安です。
1. たたんでネットに入れる
屏風畳み(じゃばら状)にしてから、くるくると巻きます。汚れている面が外側になるように巻くと、汚れが落ちやすくなります。大きめの洗濯ネットに入れてください。
2. 洗剤とコースを選ぶ
中性の液体洗剤を使います。粉末洗剤は溶け残りが繊維に残ることがあるため避けてください。
コースは「毛布」「大物洗い」「手洗い」など、水流の穏やかなものを選びます。標準コースは繊維を傷めます。
3. 脱水は短めに
脱水を長くかけると、シワや型崩れの原因になります。1〜3分程度で十分です。水が滴る状態でも、干している間に落ちます。
浴槽で踏み洗いする手順
洗濯機に入らない大きなラグは、浴槽での踏み洗いが確実です。時間はかかりますが、傷みが少なく汚れも落ちます。
- 浴槽に30℃程度のぬるま湯を張り、中性洗剤を溶かします
- ラグを畳んで沈め、30分ほど置きます
- 足で踏んで押し洗いします。こすらず、体重をかけて押すのがコツです
- 汚れた水を捨て、泡が出なくなるまですすぎます。すすぎ残しは黄ばみの原因になります
- 浴槽の縁にかけて数時間置き、水を切ってから干します
水を含んだラグは非常に重くなります。持ち上げるときは腰を痛めないよう注意し、可能であれば2人で作業してください。
コインランドリーを使う
大型の洗濯乾燥機があるコインランドリーなら、洗いから乾燥まで数時間で終わります。
ただし乾燥機にかけられるかは必ず確認してください。高温乾燥で縮む素材や、裏面の滑り止め加工が溶けるものがあります。表示に「タンブル乾燥禁止」の記号(四角に丸と×)があれば使えません。
ラグ専用の洗濯機を置いている店舗もあります。持ち込む前に、対応しているサイズを確認しておくと確実です。
干し方で仕上がりが決まる
ラグの洗濯で最も失敗しやすいのが乾燥です。生乾きのまま床に敷くと、カビと臭いが発生します。
- 物干し竿2本にまたがるようM字に干す:内側に風が通り、乾く時間が大きく短縮されます
- 直射日光は避ける:色あせの原因になります。風通しのよい日陰が理想です
- 数時間おきに向きを変える:重なっている部分が乾きません
- 完全に乾くまで敷かない:厚手のものは2〜3日かかることもあります
乾いたあとに毛が寝てしまった場合は、ブラシで毛並みを起こすと風合いが戻ります。
洗えないラグのお手入れ
ウールなど水洗い不可のもの
掃除機を毛並みに逆らってかけ、根元のホコリを吸い出します。汚れた部分は、中性洗剤を薄めた液を含ませた布で叩くように拭き取ります。こするとシミが広がります。
仕上げに水拭きし、しっかり乾かしてください。年に一度はクリーニングに出すと長持ちします。
い草ラグ・竹ラグ
天然素材のラグは水洗いできません。水分を含むとカビや変色の原因になります。
手入れは、畳の目に沿って乾拭きするのが基本です。汚れが気になる場合は、固く絞った布で拭いたあと、すぐに乾拭きして水分を残さないようにします。
月に一度は風通しのよい場所で陰干しし、湿気を逃がしてください。詳しくはい草ラグの種類と役割や特徴と使用時の注意点、竹ラグの種類と役割や特徴とその注意点もあわせてご覧ください。
ダニ・カビが気になる場合
洗濯だけではダニは死滅しません。ダニが死ぬのは50℃で20〜30分、60℃なら短時間とされます。つまり熱を「一定時間かけ続ける」ことが条件です。
乾燥機の通常モードは30分ほどで終わるため、それだけでは不十分なことがあります。布団乾燥機を使う場合はダニ対策モード(製品により1〜6時間)を選んでください。熱を加えたあとに掃除機で死骸とフンを吸い取るまでがひと続きの手順です。
なお洗濯そのものにも、ダニのエサとなる皮脂やフケを洗い流す効果があります。ダニ対策の詳細は畳にダニが発生!退治方法と予防について解説が参考になります。
カビについては、そもそも湿気をためないことが最大の対策です。湿気に弱い和室のカビ対策もご覧ください。
そもそも洗えるラグを選ぶ
食事をする場所、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、最初から洗えるタイプを選ぶのが現実的です。
洗えるラグには次のような利点があります。
- 汚れたときにすぐ対処できるため、シミが定着しにくい
- 季節ごとに洗って清潔に保てる
- 薄手のものが多く、収納しやすい
一方で、厚手のラグに比べるとクッション性は劣ります。防音性を重視する場合は、下に敷くマットと組み合わせるとよいでしょう。
洗えるラグ・カーペットをさがす(イケヒコ公式通販) 丸洗いできるタイプを3,190円から。滑り止め付きもあります。
よくある質問
どのくらいの頻度で洗うべきですか
使用状況によりますが、年に1〜2回が目安です。食事をする場所やペットがいる場合は、季節の変わり目ごとに洗うと清潔に保てます。日常的には週に2〜3回、掃除機をかけるだけでも十分違います。
柔軟剤は使ってもいいですか
使えますが、入れすぎると毛が寝て風合いが変わります。また滑り止め加工のあるものは、柔軟剤で効果が落ちることがあります。使う場合は規定量の半分程度から試してください。
洗ったら縮んでしまいました
綿やウールは水と熱で縮みます。軽度であれば、湿らせた状態で四方から少しずつ引っ張り、形を整えて乾かすと戻ることがあります。ただし完全に元へ戻すのは難しいため、次回からは洗濯表示の確認を徹底してください。
まとめ
ラグ・カーペットの洗濯について、要点を整理します。
- まず洗濯表示を確認する。読めない場合は洗わない
- 洗濯機は容量が足りるかを確認し、中性洗剤・穏やかなコース・短い脱水で
- 大きなものは浴槽で踏み洗い。こすらず押す
- M字に干して数時間おきに向きを変える。完全に乾くまで敷かない
- い草・竹などの天然素材は水洗い不可。乾拭きと陰干しで
ラグは面積が大きいぶん、清潔さが部屋全体の印象を左右します。年に一度でも洗う習慣をつけると、住まいの空気が変わります。
和室の設えについては和室づくりのまとめもあわせてご覧ください。