![作務衣(さむえ)とは?](https://wakore.media/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
作務衣と聞くとまず思い浮かべるのはお坊さんでしょうか、一方甚平というとおじさんの家着かもしれませんね。
そのほかにもステテコや女性であれば襦袢なんていうものもありますが、いずれも古臭いとか、昭和?といったイメージを持たれるかもしれませんね。
しかし本当にそうでしょうか。もしそうだとした場合、どうして今もなお作務衣や甚平が店頭に並び、 また近年では様々なファッションブランドなどから作務衣や甚平をフューチャーしたようなアイテムが販売されているのでしょうか。 そこにはしっかりとした理由があり、今回はそんな疑問にもお答えできるような作務衣と甚平についてのご紹介です。
しかし本当にそうでしょうか。もしそうだとした場合、どうして今もなお作務衣や甚平が店頭に並び、 また近年では様々なファッションブランドなどから作務衣や甚平をフューチャーしたようなアイテムが販売されているのでしょうか。 そこにはしっかりとした理由があり、今回はそんな疑問にもお答えできるような作務衣と甚平についてのご紹介です。
目次
作務衣(さむえ)について
![作務衣(さむえ)について](https://wakore.media/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
作務衣は禅宗のお坊さんが作業をこなす際に着る作業着のことです。
かつては形に限らず雑用をこなす際に着る衣服を作務衣と呼んでいましたが、昭和40年頃を境に現在の形に落ち着き、一般化していったようです。
今でも特に京都や奈良のお寺などを観光されると、お坊さんたちが作務衣を着て作業されている姿を見つけられます。
ちなみに僧侶の作務衣の色には決まりがあるようで、黒は一般の僧侶、それ以外の藍や茶などは比較的高い位の僧侶が着ることになっているようです。
ちなみに僧侶の作務衣の色には決まりがあるようで、黒は一般の僧侶、それ以外の藍や茶などは比較的高い位の僧侶が着ることになっているようです。
作務衣(さむえ)の歴史
作務衣の歴史ははっきりとはしていませんが、昭和以降にモンペや上っ張りと呼ばれる着物の上に着る衣を改良したものが原型になっているといわれています。
また現在は上着とズボンに分かれているものが一般的ですが、かつては長作務衣と呼ばれた上着の裾がひざ丈まであるものが一般的だったようです。
一方甚平については、もともと武士たちが着ていた陣羽織が原型になっているとされており、現在のような筒型の袖になったのは大正時代の大阪からのようです。 しかしこの頃の甚平はひざ丈まである上着のみで、上下セットになったのは昭和40年頃からとされています。
一方甚平については、もともと武士たちが着ていた陣羽織が原型になっているとされており、現在のような筒型の袖になったのは大正時代の大阪からのようです。 しかしこの頃の甚平はひざ丈まである上着のみで、上下セットになったのは昭和40年頃からとされています。
作務衣(さむえ)の現在
このような歴史から作務衣を着用するのは主に修行僧でしたが、現在では職種を問わない作業着として着られるようになりました。
例えば職人さんや和食料理店の給仕さんなども着られていますね。
また和文化に関わりのない仕事着としてや、一般の方も普段着やホームウェアとして着られるようにもなり、旅館・ホテルなどの室内着としても着られています。
作務衣(さむえ)と甚平(じんべい)の違い
![作務衣と甚平の違い](https://wakore.media/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
構造的に作務衣と甚平は似ていますが、ルーツが違います。
また明らかに違う点として、作務衣は袖や裾が長く、甚平は5部丈やひざ下程度に短い裾になっていることが挙げられます。
さらに細かく見ると袖付け部分にも違いがあり、作務衣は肩から袖まで一枚の布で作られているのに対し、甚平は半袖に筒袖をつなげたようなデザインになっています。
構造、着用季節の違い
基本構造について作務衣の上着は着物のように体に巻きつけ、巻き込んだ身頃は付属の紐で止めそこに残りの身頃を重ね紐どめします。
袖は丸筒のものや窄まったゴム仕立てのものなどがあり、ズボンについても裾や腰にゴムが入っている伸縮タイプや、上着よりも太めの紐を絞ることで留めるものなど色々なタイプがあります。
一方甚平の上着も衿や留め紐など基本的な構造は作務衣と同じですが、袖つけ部分に飾りがあったり、脇にみやつ口と呼ばれるあき部分があり、涼に配慮した工夫が凝らされています。 甚平のズボンは基本的に半ズボンです。 一般的に甚平の方がゆったりとしており、袖口や裾口も広めの設計のものが多く見られます。 着用季節に関して基本的に甚平は真夏に着用するものが一般的で、それに対して作務衣は使用している生地次第で年中着れます。 夏をメインに考えるのであれば甚平が最適ですが、通年で使用できる部屋着をお探しの方には作務衣がオススメです。
一方甚平の上着も衿や留め紐など基本的な構造は作務衣と同じですが、袖つけ部分に飾りがあったり、脇にみやつ口と呼ばれるあき部分があり、涼に配慮した工夫が凝らされています。 甚平のズボンは基本的に半ズボンです。 一般的に甚平の方がゆったりとしており、袖口や裾口も広めの設計のものが多く見られます。 着用季節に関して基本的に甚平は真夏に着用するものが一般的で、それに対して作務衣は使用している生地次第で年中着れます。 夏をメインに考えるのであれば甚平が最適ですが、通年で使用できる部屋着をお探しの方には作務衣がオススメです。
素材の違い
作務衣にも甚平にも多く使われる素材は綿ですが、中でも甚平の素材に多く使われるのは、綿麻の混紡や麻100%のものが一般的です。
一方作務衣については夏用は麻混紡の綿や、麻100%のもの、中綿入り、ポリエステル製、フリース素材のもの、それぞれ厚手、薄手などバリエーションが豊富で、
季節に応じて切り替えることができます。
また作務衣に関しては女性用のものや、和装専門メーカー以外のファッションブランドなどでも近年販売されるようになっています。
用途の違い
どちらもリラックスウェアとして使えますが、甚平に関しては季節的な制約があり、主に夏の暑い時期が適しています。
しかし用途が限られているとは言え花火観覧やお祭りの際などはもちろん、銭湯などに出かけた後の湯上り着としても良さそうです。
一方の作務衣は普段着としてはもちろん、作業着としても使え、袖が程よく短めにできているため手仕事がメインの方や水仕事が多い方に良さそうです。
また特に作務衣は素材次第でオールシーズン使うことができ、寒さの厳しい時期は上に羽織やドテラなどを組み合わせて防寒することもできます。
両者ともサイズ感にゆとりがある作りになっているため、体型で服選びにお悩みの方にも良いでしょう。 ご自身で購入されるのはもちろん、父の日のプレゼントや、還暦祝い、誕生日プレゼントなどにされても喜ばれるのではないでしょうか。
両者ともサイズ感にゆとりがある作りになっているため、体型で服選びにお悩みの方にも良いでしょう。 ご自身で購入されるのはもちろん、父の日のプレゼントや、還暦祝い、誕生日プレゼントなどにされても喜ばれるのではないでしょうか。
まとめ
以上が作務衣と甚平に関するご紹介記事です。
小さな頃から洋服文化が浸透している方が圧倒的に多くそれゆえに和装についてわからない、宗教色が強いイメージといった方もいらっしゃると思います。
しかしここまで見てきたように端に習わしだからという理由だけで着られているのではなく、
和服ならではの利便性や風合い、我々の生活文化に「身近なもの」であるということがお分りいただけたのではと思います。
Tシャツにショートパンツ、あるいはシャツにスーツといった服装を否定するつもりはありませんが、あまりにも多くの人々が和文化、和装の素晴らしさを知ることなく過ごされているように感じます。
今回の記事をきっかけに、日本に生まれ、日本に育ちた境遇を最大限活かして、比較的手頃に始められる和装にチャレンジされてみるのも思わぬ発見につながることになるかもしれませんよ。 いきなり外着としてはちょっと・・・と思われる方は、まずは部屋着から始められてはいかがでしょうか。
今回の記事をきっかけに、日本に生まれ、日本に育ちた境遇を最大限活かして、比較的手頃に始められる和装にチャレンジされてみるのも思わぬ発見につながることになるかもしれませんよ。 いきなり外着としてはちょっと・・・と思われる方は、まずは部屋着から始められてはいかがでしょうか。