簡単にできる襖(ふすま)の張替え方
襖を張替えるべき時期を見極めよう
1. 襖が汚れてきた
襖紙にコーヒーなど色のついた液体をこぼしてしまった、子どもが落書きをしてしまったなどの理由で汚れている場合、気になるのであれば張替えをおすすめします。
襖は何層もの紙が重なってできていますが、表面の汚れが気になるのであれば表面の襖紙だけの交換でOKです。
ただ、液体による汚れは一見表面だけが汚れているように見えても内部まで液体が浸透している可能性もあります。長期間放置しておくとそこからカビが発生する可能性も。気になる場合は業者に依頼して本格的な張替えをしてもらいましょう。
2. 襖が日焼けしている
襖表面の紙は長期間日光に当たると当然日焼けします。
住み始めた当初は美しかった襖でも、どんなに綺麗に使っていても劣化は進みます。襖が日焼けすると全体的に茶色っぽくなったり、柄が薄れたように見えたりと、汚い印象になってしまうでしょう。
部屋を掃除しても襖が汚いと見た目の印象が悪く、気持ちよく過ごせないかもしれません。襖を張替えれば部屋もすっきりと綺麗に見えて、気持ちよく過ごせます。
3. 襖が破れている
ぶつかったりペットが爪を研いだりなどが理由で襖が破れてしまった場合は早めに襖の張替えをおこないましょう。
襖はその種類にもよりますが、内部には枠組みがあることがほとんどです。破れた襖をそのままにしておくとこの枠組みがむき出しになってしまい、見た目が悪いだけでなく怪我をする可能性も高くなります。
破れたところから襖の劣化も進んでしまいますので、破れを発見したら早めに張替えを検討してください。
4. 和室の印象を変えたい
襖紙はさまざまなデザインのものが登場しています。シンプルなもの、一般的な和風のデザインのものだけでなく、洋風でモダンなデザインのものやカラフルなものなどがあります。襖用の紙ではなく壁紙を襖に張替えるというDIYも近年では人気です。
襖紙のデザインを変えるだけで和室の印象をがらりと変えられます。
襖紙を張替えるだけでお部屋の印象を大きく変えられるので、洋風、モダン風な雰囲気のお部屋に変えたいという方はぜひ襖紙や壁紙をチェックしてみてください。
5. 湿度の高い天候、季節
襖紙は湿度が高いと伸びやすくなるという性質をもっています。そのため、襖紙をピンときれいに張替えるのであれば湿度が高い時期がおすすめです。
夏場や梅雨の時期、それ以外の季節だと雨が降っている日がよいでしょう。
ただし、これらの時期や天候でもエアコンをかけていると室内が乾燥し、襖紙が伸びにくくなってしまいます。エアコンは付けず、それでも乾燥が気になる場合は加湿器をつけたり、霧吹きで空気中の湿気を多めにしたりするなどの工夫が必要です。
張替える襖紙のタイプを選ぼう
一般的な和紙の襖紙
もっとも一般的な襖紙は和紙でできたものです。和風なもの、シンプルなものが多いですが、中にはモダン風なおしゃれなものもあります。
和紙のグレードによって見た目、質感、価格なども変動します。客間などには上質な和紙の襖紙を、子どもやペットがよく使う部屋なら汚れても気軽に張替えられる安価な襖紙をなど、使い分けるのもおすすめです。
織物でできた高級な襖紙
紙ではなく織物でできた高級な襖紙もあります。一枚一枚職人による手作りでできたものは非常に高価で、その分インテリアとしてのデザイン性にも優れています。織物の襖紙を取り入れることで、他とは違う和室の雰囲気を楽しめることでしょう。
一方で特別なものはネットやホームセンターなどで簡単に入手はできません。一般的に普及している織物の襖紙はデザイン性が豊富で気軽に和室をグレードアップさせられるので、そちらもチェックしてみてください。
裏面にのりがついている襖紙
裏面にのりがついており、水で濡らすことでのりを戻せるタイプです。
最初の手触りは乾燥していますが濡らすとのりとしての機能が出るので、別途のりを購入して作る必要がないというメリットがあります。
しかし、水をムラなくつけなければ張りがバラバラになり、シワになったりきちんと接着する前に乾いてしまうというデメリットもあります。均一にのりをつけられる、素早く襖紙を交換できるといった経験豊富な方でなければ扱いにくいアイテムです。
アイロンで張替えができる襖紙
アイロンなどの高温を当てることでのりが溶けて襖に接着できるタイプです。こちらものりを用意する必要がなく、自宅にあるアイロンを使えるという点で人気です。
水を均一に塗布するよりもアイロンの方が均一に熱を与えやすく、簡単に張替えができます。
なお、襖の本体がプラスチックやビニールでできている場合は使用できないので、事前に襖のタイプを確認しておいてください。
シールで張替えができる襖紙
襖紙の裏面がシールになっているので、そのまま貼れる非常に簡単な襖紙です。破れた一部分をごまかしたいというときも手軽に使えますし、もちろん全面の張替えにも使えます。
のりを用意したりアイロンを当てたりしてきれいに張替えられる自信がないという方はまずこのシールタイプをチェックしてみてください。
襖の張替え方
1. 引き手を取り外す
まずは襖を床に置き、引き手を取り外します。引き手はクギが使われていないものであればバールを差し込むことで簡単に取り外せます。
クギで固定されている場合も、釘部分にバールを差し込みゆっくり引き上げることで引き手からクギを引き抜けます。
2. 枠を取り外す
襖の枠を取り外します。上下や左右の位置がわからなくならないよう、あらかじめテープなどで目印をつけておきましょう。
枠と襖の間にバールを差し込み、余裕を持たせます。いくつかのクギで固定されていることが多いので、クギ付近にバールを差し込みましょう。
ある程度枠と襖の間に余裕が出てきたら、ゆっくり揺らすようにして枠を外します。
3. のりの準備を始める
襖紙を貼り付けるためののりを作ります。のりは障子用や専門ののりを用意します。説明欄を確認し、はけにまったりと馴染むくらいを目安に、必要な分を作ってください。このとき、浅めのタッパーなどに入れておくと、付け足しやすくスムーズに作業を進められます。
4. 補修紙、茶チリ紙を貼る
襖に穴が開いている場合や大きく破けている場合などは補修紙や茶チリ紙を貼ります。破れが目立つ場所に補修紙をあててその形に切り取り、のりで接着します。
補修紙はハサミでカットするよりも手でちぎってカットした方が周囲と馴染みやすく、その後の襖紙の張替えにも影響が出にくいです。茶チリ紙をその上から貼ることでさらに補修跡が見えにくくなります。
なお、茶チリ紙は破れた部分、補修紙を貼った部分だけでなく襖全体に貼る必要があります。手間だと感じる場合はこの工程は省いて構いません。
5. 襖紙を貼る
襖紙を貼っていきます。
まずは襖紙の位置を決めて、しっかり伸ばした状態でカットしましょう。薄く均一にのりを塗り、枠部分にはさらにしっかりのりを伸ばします。
襖紙を裏返したら慎重に襖と接着していきます。空気を抜き、縁部分までしっかり接着しましょう。
襖紙は最初はシワがあってものりが乾くことでピンときれいに伸びます。乾く前に引き手の部分の襖紙をカッターなどで切り込みをいれておきましょう。
6. 枠と引き手を取り付ける
最後に枠と引き手を取り付けて完成です。
枠はカナヅチと使うとしっかりきれいに設置できます。もともと使われていたクギ、クギの穴を目安に元通り設置し、クギを打ちます。
引き手にクギが使われていない場合は接着剤を使って引き手を固定します。クギが使われている場合はクギ打ちを被せた上でカナヅチなどで優しく叩き込むことで、引き手に傷をつけず元通り固定できます。