和室の襖の種類や役割・特徴とその歴史を分かりやすく解説

襖について解説

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襖
日本は「引き戸文化」の国です。 広い空間を仕切るために使われた「襖」は日本建築を語るうえで欠かせない建具。 実は襖には、他の建具にはない役割や特徴があります。 当記事では襖について詳しく解説します。襖の良さを再認識するのにぜひお役立てください。

襖ってどんなもの?

襖ってどんなもの?
襖(ふすま)とは、広い部屋を仕切るための「間仕切り」です。木を組んだ格子に和紙の下張りを施し、表紙を張って仕上げた建具を指します。 広い空間を引き戸で仕切るのは日本独自の文化です。襖は日本の家屋に欠かせない建具として、日本文化を支えてきました。 襖の役割と特徴、種類や障子との違いについて詳しく解説します。

襖の役割

襖の主な役割は次の通りです。
  • 部屋の仕切り
  • 空間演出
  • 空調効率のアップ
襖のもっとも大きな役割は部屋を仕切ることです。元来、日本家屋はあまり壁で部屋を仕切りません。大きな空間は襖を使って区切ります。 これにより、大人数で使用するときは襖を開けて空間を広く使い、少人数で使うときは部屋を区切って個室として使うことが可能でした。 襖があることによって、空間を効率よく使うことができたのです。

襖の特徴

襖には、他の間仕切り建具にはない特徴があります。大きな特徴は次の2つです。
  • 軽さ
  • 引違い
もっとも大きな特徴は軽いことです。木枠に紙を張った襖は戸や壁よりも圧倒的に軽く、扱いやすいというメリットがあります。襖は誰にとっても扱いやすい建具です。 もう一つの特徴は「引違い」です。引違いとは、2枚以上の戸を水平移動させて開閉することを指します。 左右どちらにでも開閉できるので、使い勝手がよくたいへん機能的です。 「軽さ」と「引違い」という2つの特徴を兼ね備えた襖は、機能的な建具であることがわかります。

襖の種類

襖の種類を、本体の種類と表面の種類に分けて解説します。

襖本体の種類

襖本体の種類を大きく3つに分けると、次の3種類に分けられます。
  • 和ふすま
  • 量産ふすま
  • 戸ふすま(板ふすま)
種類によって張り替え方が異なるので注意が必要です。
和ふすま
和ふすまとは、木製の組子の上に何層もの紙を貼り重ねた襖を指します。日本で長く親しまれてきたスタンダードな襖の種類です。
量産ふすま
量産ふすまは、木製組子の代わりに発泡スチロールやダンボール、ペーパーコアなどの芯材が使われたものを指します。 量産ふすまは大量生産が可能なため、多くの家屋で使用されています。
戸ふすま(板ふすま)
木製の組子の上に下貼りの紙を張らず、代わりにベニヤ板を張ったものが「戸ふすま(板ふすま)」です。戸ふすまは丈夫ですが、重いため開閉がしづらくなります。

表面の種類

襖は表の材質によっても種類がわかれます。表の種類は大きく分けて和紙、織物、ビニールの3つです。
和紙
和紙の主原料はジンチョウゲ科の植物、雁皮(がんぴ)です。雁皮は栽培が難しいため、現在では様々な原料が混ぜて使われています。 和紙の中でも手漉きで作った紙は「本鳥の子」と呼ばれます。最も伝統的で高品質な襖紙です。本鳥の子と区別して、機械漉きの襖は「鳥の子」と呼ばれます。 さらに手作業の工程を省き、機械で大量生産できるようにした襖を「新鳥の子」と呼びます。 グレードが高い襖ほど、丈夫で長く楽しめます。値段だけで選ぶと劣化が早い場合があるので注意が必要です。
織物
レーヨン糸や絹糸を使った織物も、襖の表面に使用されます。織物の特徴は、破れにくく丈夫なことです。施工時にシワになりにくく、張りやすい襖紙です。
ビニール
最も丈夫なのがビニール素材です。子供やペットがいるご家庭におすすめの襖で、屋外で使用できるものもあります。

障子との違い

障子と襖の1番の違いは張り方にあります。障子は通常、片面にだけ紙を張ります。これに対し襖は両面に襖紙を張ります。どちらも木枠を使っている点は同じですが、襖の場合は中に何層も紙を重ねて透けないように仕上げます。 障子には光をほどよく通すという特徴があります。一方の襖は光を通しにくいため、部屋をしっかりと区切りたい場所に用いられます。

襖の歴史

襖の歴史
襖は日本で進化してきた建具です。その歴史を解説します。

襖の成り立ち

日本の歴史に襖が登場したのは「平安時代末期」です。源氏物語絵巻の中には、引違いで開閉できる「襖」の存在が記されています。 しかし、当時貴族が暮らしていたのはたいへん広い住居です。建築技術が発達していなかったため、かなり開けづらい襖であったことがうかがえます。 鎌倉時代・室町時代になると、柱と柱の間を引き違いの襖障子で仕切る現在のスタイルが普及していきました。 安土桃山時代には武士階級の権力の象徴として襖が用いられました。金箔を使った豪華な襖や、虎、鳳凰、鷹などが描かれた荘厳な襖によって権力が表現されたのです。

襖の語源

「襖」という言葉は中国にも韓にもありません。襖は日本で誕生した言葉です。言葉の成り立ちは諸説ありますが、ここでは一説をご紹介します。 平安時代、間仕切りとして使用する建具はすべて障子と呼ばれていました。 中でも、寝所に使用された間仕切りが「衾障子(ふすましょうじ)」と呼ばれ、徐々に障子から区別されるようになりました。 衾(ふすま)とは、もともと寝るときに体に掛ける布製の寝具。そこから派生して、寝る場所を仕切る障子が「衾障子(ふすましょうじ)」になったのです。 現在の漢字「襖」に変化したのは、衾障子(ふすましょうじ)に絹織物が使用されていたためです。「襖」には裏地のついた着物という意味があることから、「衾障子」が「襖障子」と称されるようになりました。

近年の状況

明治時代になると洋室が一般家庭にも普及していきました。そこで襖は和室と洋室を分ける部分に用いられることが増えていきます。 種類やデザインが年々増えてきており、和風だけでなく様々なテイストを楽しめるようになってきました。 幾何学模様や自然のモチーフがあしらわれた洋風のものから、北欧柄のものまでバリエーションは豊富です。 中にはキャラクターがプリントされた斬新なデザインもあります。好みに合わせて自由に襖を楽しむ人が増えているのです。

襖の張替えについて

襖の張替えについて

襖の張替え時

「襖はいつ張替えればいいの?」襖の張替えについて解説します。

襖の張替え時

襖は10年をめどに張替えるのが一般的です。ただし、次のような時には年数に関わらず、張替えを検討しましょう。
  • 汚れや黄ばみが気になるとき
  • 破れてしまったとき
  • 来客の予定があるとき
襖紙は使用する場所によって黄ばみやすいことがあります。黄ばみが目立つ場合は張替えを検討しましょう。また、破れたり、破損したりしたときは張替え時です。 来客があるときは、襖を張替えておもてなしの気持ちを表現するのもおすすめですよ。お使いの襖の状態を見ながら張替えを検討しましょう。

襖の張替えはどこに頼めばいい?

襖の張替えは次のような場所に依頼することができます。
  • リフォーム会社
  • 工務店
  • 張替え専門の業者
部屋全体のリフォームではなく、張替えだけを依頼したい場合は、「張替え専門の業者」に依頼しましょう。 業者が多すぎて選びきれないときは、次のポイントを比較して検討しましょう。
  • 信頼のおける業者か
  • 値段が明確か
  • 好みの襖紙を扱っているか
実績が少ない業者や下請けに作業を任せている業者の場合、キレイに仕上がらない危険性があります。業者を選ぶ際は、施工例や口コミで確かな技術と実績があるところを選びましょう。

まとめ

襖について解説
「和室の風格は襖が決める」といわれるほど、襖は日本家屋にとって重要な建具です。かつては権力の象徴として重要な役割をはたしていました。 現在では、襖のバリエーションが増え、おしゃれな空間を演出するために襖が使われています。あなたにぴったりの1枚を見つけて、襖のある生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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