日本の伝統文化である生け花は、どうしても堅苦しい、敷居の高い習い事というイメージが強いものではないでしょうか。しかし、基本的な生け花の知識を覚えていれば、自宅で来客をおもてなししたり家族のイベントを彩ったりできる作品が作れます。そこで今回は、生け花初心者でもチャレンジできる生け花の基本的な知識をご紹介します。
生け花の基本

花を楽しむ方法として生け花と似ているといわれるのが、欧米で生まれた「フラワーアレンジメント」です。しかし、これらは基本が大きく異なります。生け花が芸術性を重視して必要最小限の花材で作り上げる「引き算の美学」であるのに対し、フラワーアレンジメントは華やかさを重視してたくさんの花を組み合わせる「足し算の美学」という点が大きく異なります。つまり、生け花は少ない花や草木で空間を活かして見せる一方で、フラワーアレンジメントは多くの花材で空間を埋める、正反対の方法なのです。
生け花で使う道具

自宅で生け花を楽しむ際に使用する花器なら、必ずしも生け花専用の道具をすべて用意する必要はありません。花器は、好みのデザインのグラスやおちょこなどでも代用できます。自宅で生け花をするときに花留めがない場合も、家庭にあるスポンジやらせん状にカットしたペットボトルなどを使えば気軽に生け花を楽しめます。 さらに、水を入れるためのボウルや霧吹き、花材を固定するための針金などもあると便利です。
初心者でもできる生け花の基本的な生け方

主材を選ぶ
そして、作品の中心となる枝「主材」を選びます。この枝は全体の骨格を作る大事なパーツとなるため、よく選びましょう。3本に枝分かれした形状の枝を主材として使うのが基本で、主材は先端が真上を向くように花留めに差し込みます。中心となる枝以外の2本は、必要に応じてカットしましょう。
配材とあしらいを選ぶ
続いてメインの花である「配材」2本を生けてから、隙間を埋めるための花や草木「あしらい」を加えていきます。「生け花」という名称から花がメインと思われがちな生け花ですが、草木や葉も重要な要素です。花と一緒に葉の緑をあしらいに加えれば、花の美しさをより引き立てた作品に仕上げられます。
根締めを行う
最後に、主材の足元部分に葉などを加えることで生けた花をまとめ、花留めを隠す役割も持つ「根締め」を行います。この流れが、基本的な生け花の生け方です。
花を生けるときはどうしてもたくさんの種類の花や草木を生けたいと考えてしまうものですが、あまり種類を増やしてしまうとまとまりのない作品になってしまいがちです。あまり多くの花を使わずに空間を活かす「引き算の美学」である生け花に使う花や草木は、必要最小限の種類にとどめておくのもポイントです。
花を生けるときはどうしてもたくさんの種類の花や草木を生けたいと考えてしまうものですが、あまり種類を増やしてしまうとまとまりのない作品になってしまいがちです。あまり多くの花を使わずに空間を活かす「引き算の美学」である生け花に使う花や草木は、必要最小限の種類にとどめておくのもポイントです。
生け花をする上で心がけるべきこと

このように生け花をする上で心がけておくべきポイントはあるものの、家庭で楽しむ生け花なら堅苦しさはなく、気軽に楽しめる趣味の一つになります。生け花初心者であれば特に、肩肘張らずに花や草木を自由に生けてみると、生け花の楽しさが感じられるでしょう。
まとめ
敷居が高い、難しいという先入観を持たれることが多い生け花ですが、初心者なら花や草木を生けてみるだけでも、生け花の楽しさを実感できます。今回ご紹介した生け花の基本を踏まえておけば、生け花らしい作品を作りやすくなるので、まずは自宅で自由に好みの花や草木を使った生け花を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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