空手(KARATE)について その歴史や変遷を学ぼう

空手の歴史

空手の歴史
空手は現在の沖縄県で琉球時代に発達した武術です。しかし、起源ははっきりとはわかっていません。その中で大きく2つの説が唱えられています。
1つ目は「久米三十六姓輸入説」です。1392年に中国(当時は明)から職能集団が集団移住してきました。彼らは琉球に学問や技能など様々なものをもたらします。その中の一つとして中国拳法も伝えられ、それが独自の発達を遂げていき現在の空手の形になっていったという説です。しかし、当時は中国でも拳法が未発達であったとされており、この説に疑問を持たれる方もいます。

2つ目は「舞方からの発展説」です。舞方とは琉球舞踊のことです。この舞踊が中国武術と合わさり空手へと発展していったとも言われています。 また明治以前の空手の発展に関しても分かっていないことが多いようです。以前までは、薩摩藩に支配されていた際に禁武政策がとられ、武術の鍛錬ができなくなったため、素手でできる空手が広まっていったと考えられていました。
しかし、銃や刀といった武器に対して身一つで対抗できるという考えは楽観的なもので、普及しづらいのではないかというのが現在の通説で、空手の普及にはほかの要因があったと考えられています。

そして史実に空手の源流である「唐手」の文字が出てくるのは19世紀初頭のころです。佐久川寛賀という中国で武術を学んだ方が沖縄に帰り、唐手を作ったとも言われています。

そして空手が沖縄から九州や本州などに伝わったのは大正時代のことです。琉球士族たちが東京の柔術道場を中心に突きや蹴り、型を披露していきます。その後、柔道家の嘉納治五郎などの手助けもありどんどん広まっていきます。

船越義珍は東京を中心に空手を本格的に指導し、関西では本部朝基がボクシング選手を52歳で一発KOするなど、空手に注目を集めることに成功します。

戦後には一時、空手の活動は衰退しますが、その後は再び活気を取り戻し、今ではオリンピック競技の一つに数えられるほど人気もあり、世界的にも有名な競技になっています。

名称の変遷

名称の変遷
空手はもともと明治初頭のころには「手」もしくは「唐手」と呼ばれていました。ちなみに「手」というのは琉球独自の拳法、「唐手」は中国から伝来した拳法のことを指しているようです。1901年の県が定めた体育の教科書などには「唐手」が掲載してあります。
では現在広く使われている空手という表記はいつから使われるようになったのでしょうか?こちらも色々な説があり、いつから使われていたのかははっきりしていません。1905年ごろから空手に関する文献で少しずつ「空手」という表記が使われるようになり、1929年には慶應義塾大学唐手研究会が「空手」という文字を使用したことでどんどんと人待っていくことになります。そののち、1936年に那覇で開催された空手家たちの座談会で唐手表記をやめ空手に統一することが決まります。

現在空手は世界中で楽しまれており、海外ではKARATEとしても慕われています。なお、唐手から空手に変わったのと同時期に日本の武術になったとして、柔道や剣道を真似て「道」の文字を付け、空手道という表記も見られるようになりました。

組手と型

組手と型
空手の競技会などでは主に組手の部と型の部というものがあります。型は一人で演舞する空手の形式で、相手を想定してそれを薙ぎ払ったり、倒したりするイメージを付けるために行われます。ここで空手に必要な基本動作や応用の動きを身に着けることができるのです。現在では、型の価値はどんどん上がっていき、型の試合も行われるようになりました。

組手は二人で相対して行う練習形式です。決められた手順で技をかけあう「約束組手」、自由に技をかけあう「自由組手」、勝敗を目的とした「組手試合」が存在します。組手は安全面なども担保する必要があるため、寸止めや防具付き空手なども発達していきました。寸止めは直接打撃を認めず、軽く拳を当てたり、蹴りを当てたりするだけで「当てた」と審判に判断されることが通例です。その一方で、フルコンタクトと呼ばれる直接打撃を認める試合形式も存在しています。

空手の流派

空手の流派は大きく伝統空手と極真空手に分けることができます。

伝統空手

伝統的な空手の流派はこれに当てはまります。特にスポーツ化を目指さず、昔ながらの空手」のスタイルを重視しており、沖縄空手とほぼ同義で使われます。

さらに狭い意味では、フルコンタクトではなく「寸止め」ルールを採用する流派のことを指します。こちらは特に現在でも進化が著しいものになっています。スポーツ化に力点を置いており、オリンピックの競技として認定するまでに審判や勝敗の決し方など近年になり確立してきています。

極真空手

極真空手は空手をやったことがない人でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?極真空手というのは空手の一つの流派の名前のことです。その特徴はフルコンタクトでの試合が認められていること。フルコンタクトの試合とはその名前の通り、寸止めをせずに相手にダメージを与えるように技を当ててよいということです。ただし、金的や顔面など急所への打撃が禁止されてあることも多いです。

まとめ

まとめ
日本の伝統武術の一つである空手。その歴史は意外と浅く、特に本土に伝わったのは明治以降ということが分かりました。そんな空手は近年目覚ましい発展、活躍を見せています。オリンピック競技にも採用されたり、海外でも多くの人に親しまれています。今後も空手が発展していけるようになるといいですね。
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