道着の歴史と各武道の道着構成について

道着とは?

道着とは?
柔道や剣道、空手などの武道や武術で使われることの多い道着。素材は吸水性が高く着心地の良い綿や、洗濯しやすいポリエステルであることが多くなっています。色は白、黒、紺などがあり武道の種類により使われる色は変わってきます。

道着の歴史

道着の歴史
古くから道着というのは使われてきましたが、現在のような形の道着が使われるようになったのは、1907(明治40)年頃のことです。講道館柔道ではそれまで乱取り用の武道着を使っていました。しかし、引っ張ったり、つかんだりする中で、道着の摩耗が激しくなり、耐久性を高めるために改良が決まります。そこでは洋服の要素なども取り入れられました。また丈夫な道着ができたおかげで投げ技など道着に負担のかかる技も発達していき、現在の武道を面白く見ごたえあるものにしてくれています。

各武道の道着構成

一言で道着と言ってしまうのは簡単ですが、武道の種類によって使う道着の種類も異なってきます。それは、武道それぞれに特性がありその特徴に合わせて道着も発達してきているからです。ここでは、柔道着、空手道着、合気道着、剣道着について紹介していきます。

柔道着

柔道着は上衣(うわぎ)と股下、帯で構成されています。色は白や青、そして生成色が多いようです。生成色は、別名、アイボリーや象牙色ともよばれている色です。柔道で使われる上衣は相手につかまれたり押されたり、引っ張られたりするので空手用の道着よりもかなり厚い生地で作られています。繰り出す技に道着が耐えられるようになっているのです。

帯の色は段位によって異なり、特に有段者の帯の色は全国で統一されています。初段から五段までが黒帯、六段から八段までが紅白帯、九段、十段の方は赤帯を付けます。なお、1882年に柔道が創設されて以来、十段に昇段された方は2021年3月時点で15名しかいません。つまり、赤帯を付けられるのは稀有な存在なのです。

空手道着

空手道着
空手道着の構成は柔道着ととても似ており、上衣と股下、それに帯からなります。ただし、柔道着では白、青、生成色が多かったのに対して、空手道着では白、生成色、もしくは黒色が一般的で、青は見かけません。特に型の演武では道着のこすれる音が動作の素早さや力強さを表すのに一役買っており、型をより迫力のあるものに見せることができています。なお本格的な大会になるとこの道着にも細かい規定がなされています。それほど道着は競技を形成する1つの要素として重要視されているのです。

合気道着

合気道では最初、空手や柔道と同じように上衣と股下、帯を付けて稽古をします。しかし、ある時期になると股下の代わりに袴をはいて稽古するようになります。なおこの袴をはき始める時期というのは、男性は黒帯をもらうのと同じ初段から、女性はそれよりも早い三級になってからが多いようです。(道場によって履き始めるタイミングは異なることがあるようです。)なお、女性の方が袴を履き始めるのが早いのは、「女性の体のラインを目立たなくするよう配慮」とも言われています。

では、合気道ではどうして剣道や弓道と異なり、途中から袴を履くことになっているのでしょうか?そもそも合気道で袴を履くのは足さばきを相手から見えにくくするためです。足さばきがまるわかりになってしまうと次に行う技が見破られやすくなってしまい技がかかりにくくなってしまいます。
しかし、合気道初心者の場合には袴を履いていると師匠が正しい足さばきをできているのかを確認することができません。初心者のうちは足さばきを覚えるために、袴を履かず、ある程度の熟練者になったら足さばきのチェックは必要ないとみなされ袴を履くことを許されます。

剣道着

剣道着は上衣と袴からなっています。主に紺色が多く、白色や生成色のものもあります。剣道は道具の上に防具を付ける関係で白の道着だと色が移る可能性があり、紺色などが好まれているようです。

まとめ

今回は道着についてみてきました。一言で道着と言っても、競技の特性によって少しずつ道着の特徴は変わってきます。今回は主に柔道着、空手道着、合気道着、剣道着を見ていきましたが、このほかにも弓道着などもあります。稽古をする競技に合わせた道着を使うことでよりパフォーマンスが上がればいいですね。

剣道の最新記事8件

無効化する