
火をともした灯篭を、川や海へ流す夏の行事「灯篭流し」というイベント。お盆が近づくとTVやニュースなどでよく取り上げられます。そんなキレイな明かりを楽しむイベントですが、じつは灯篭流し、追悼の意味を込めた深い目的と歴史が隠れているのです。
この記事では、お祭りの一環として実施されるキレイな夏のイベント「灯篭流し」の特徴や歴史、また日本全国の有名な灯篭流しのイベントについて紹介しています。灯篭流しに似た「精霊流し」との違いも解説しているので、夏のイベントを知るためにもチェックしてみてください。
この記事では、お祭りの一環として実施されるキレイな夏のイベント「灯篭流し」の特徴や歴史、また日本全国の有名な灯篭流しのイベントについて紹介しています。灯篭流しに似た「精霊流し」との違いも解説しているので、夏のイベントを知るためにもチェックしてみてください。
目次
灯籠流し(とうろうながし)とは?

灯篭流しとは、お盆に実施する送り火の行事であり、夏祭りや花火大会に併せて行われます。
紙で作った灯篭の中にろうそくを入れて火をともし、数えきれない程の灯篭を一斉に川や海へ流すことから、幻想的な景色をつくりだす魅力的なイベントとなっています。
紙で作った灯篭の中にろうそくを入れて火をともし、数えきれない程の灯篭を一斉に川や海へ流すことから、幻想的な景色をつくりだす魅力的なイベントとなっています。
灯籠流し(とうろうながし)について
灯篭流しは日本各地で実施されているイベントですが、実施される場所や時期が異なります。また、灯篭流しを行わない地域もあれば「流し雛」「精霊流し」など別のイベントを行う地域もあります。
そんなたくさんの地域で行われてきた灯篭流しですが、火をともした大量の灯篭が川や海へ沈んでしまうことによる環境汚染が問題となり、中止を余儀なくされた地域も多くあるのです。
近年では、大量の灯篭を流すことも減り、河川敷などから少量の灯篭を流し、下流側で改修するという方法が用いられています。また、このイベントは日本国内だけでなくハワイやインド、ブラジルなど、世界的にも有名な行事として広く浸透している行事です。
そんなたくさんの地域で行われてきた灯篭流しですが、火をともした大量の灯篭が川や海へ沈んでしまうことによる環境汚染が問題となり、中止を余儀なくされた地域も多くあるのです。
近年では、大量の灯篭を流すことも減り、河川敷などから少量の灯篭を流し、下流側で改修するという方法が用いられています。また、このイベントは日本国内だけでなくハワイやインド、ブラジルなど、世界的にも有名な行事として広く浸透している行事です。
灯籠流しの歴史

灯篭流しは、火のともる幻想的な景色が有名です。ですが実は、ただキレイな景色をつくるために行われているイベントではないのです。
もともと、灯篭流しは水難事故で亡くなった人の魂を弔う目的で始められたと言われています。現代のようにインフラ整備が万全でなかった時代は、多くの人たちが川や海で亡くなられていたのです。
ただし、そういった目的はインフラ整備の向上によって少しずつ薄れていき、現代では平和を願うために実施されることが増えています。
もともと、灯篭流しは水難事故で亡くなった人の魂を弔う目的で始められたと言われています。現代のようにインフラ整備が万全でなかった時代は、多くの人たちが川や海で亡くなられていたのです。
ただし、そういった目的はインフラ整備の向上によって少しずつ薄れていき、現代では平和を願うために実施されることが増えています。
灯籠流しの由来
この行事が生まれたのは、第二次世界大戦後となる昭和初期だと言われています。その中でも全国に広く知れ渡ったきっかけは、日本の広島に原爆が落とされ、多くの人たちが亡くなったことが関係しています。
原爆と水難事故、これは全く別物だと思われていますが、被爆した方々の多くは皮膚が焼けただれ、その熱さと痛みに耐えられず海や川へ飛び込み、そのまま亡くなられた方も多かったことから、原爆投下された時には、海辺、川辺に多くの遺体が横たわっていたそうです。
当時は灯篭ひとつひとつに亡くなった方の名前を書いて流されており、かなり大規模な灯篭流しが行われていました。現代でも原爆が投下された広島・長崎ではほかの地域よりも大規模な灯篭流しが行われています。
原爆と水難事故、これは全く別物だと思われていますが、被爆した方々の多くは皮膚が焼けただれ、その熱さと痛みに耐えられず海や川へ飛び込み、そのまま亡くなられた方も多かったことから、原爆投下された時には、海辺、川辺に多くの遺体が横たわっていたそうです。
当時は灯篭ひとつひとつに亡くなった方の名前を書いて流されており、かなり大規模な灯篭流しが行われていました。現代でも原爆が投下された広島・長崎ではほかの地域よりも大規模な灯篭流しが行われています。
灯篭流しと精霊流しの違い

日本各地で行われている灯篭流しですが、名前が似た「精霊流し」というイベントもあります。この2つの違いは何でしょうか。
まずは似ている部分、灯篭流しと精霊流しは「死者の魂を弔う」ために実施されることから、目的は同じです。
続いて違っている部分、まず灯篭流しは小さな紙で作った灯篭に火をともして川や海へ流します。一方、精霊流しは「精霊線(しょうろうぶね)」と呼ばれる大きな船を「地上で移動させて」弔いを行います。
精霊船には、ちょうちんや造花などを飾り付け、流し場と呼ばれる終着点まで運んでいきます。大人数の男性が精霊船を動かすこと。そして、移動時には爆竹を鳴らしながら進んでいくことも含めて、かなり迫力のあるイベントとなっています。
夜に行われる精霊流しの場合、ちょうちんやランプに明かりをともして精霊船を移動させるため、きらびやかな雰囲気を眺めることもできます。
まずは似ている部分、灯篭流しと精霊流しは「死者の魂を弔う」ために実施されることから、目的は同じです。
続いて違っている部分、まず灯篭流しは小さな紙で作った灯篭に火をともして川や海へ流します。一方、精霊流しは「精霊線(しょうろうぶね)」と呼ばれる大きな船を「地上で移動させて」弔いを行います。
精霊船には、ちょうちんや造花などを飾り付け、流し場と呼ばれる終着点まで運んでいきます。大人数の男性が精霊船を動かすこと。そして、移動時には爆竹を鳴らしながら進んでいくことも含めて、かなり迫力のあるイベントとなっています。
夜に行われる精霊流しの場合、ちょうちんやランプに明かりをともして精霊船を移動させるため、きらびやかな雰囲気を眺めることもできます。
日本全国の有名な灯篭流しイベント

故人を追悼するために行われている灯篭流しですが、その中でも規模が大きくお祭りなどと併せて楽しまれている開催についてご紹介します。
主な灯篭流しの開催地は次の通りです
主な灯篭流しの開催地は次の通りです
- • 福島とうろう流し花火大会(福島県福島市)
- • 柿川灯篭流し(新潟県長岡市)
- • 渡良瀬川灯篭流し(栃木県足利市)
- • 横浜大岡川灯篭流し(神奈川県横浜市)
- • 京都嵐山燈篭流し(京都府京都市)
- • 永平寺大燈篭流し(福井県永平寺町)
- • 川裾祭(福井県~兵庫県北部)
- • 宮津灯篭流し花火大会
- • ピースメッセージとうろう流し(広島県広島市)
今回は、その中でも規模の大きい「京都嵐山燈篭流し(京都府京都市)」「ピースメッセージとうろう流し(広島県広島市)」「福島とうろう流し花火大会(福島県福島市)」について解説していきます。
京都嵐山燈篭流し(京都府京都市)
日本の歴史を色濃く残す京都の町。その中でも京都嵐山で開催される「京都嵐山燈篭流し」は木橋「渡月橋」の上から流れていく灯篭を眺められます。
色とりどりのキレイな灯篭が数多く流れていき、幻想的な風景を満喫できるイベント。このイベントの目的も先祖の霊を弔うことが目的であり、灯篭流しに併せて山に火をともす「五山送り火」を楽しむことができることから、日本全国から観光客が集まるイベントとなっています。
色とりどりのキレイな灯篭が数多く流れていき、幻想的な風景を満喫できるイベント。このイベントの目的も先祖の霊を弔うことが目的であり、灯篭流しに併せて山に火をともす「五山送り火」を楽しむことができることから、日本全国から観光客が集まるイベントとなっています。
イベント名 | 京都嵐山燈篭流し |
開催地 | 京都府京都市西京区嵐山 嵐山公園 |
開催日 | 例年8/16 |
開催時間 | 19:00~21:00 |
ピースメッセージとうろう流し(広島県広島市)
灯篭流しのはじまりでもある広島で開催されるイベント「ピースメッセージとうろう流し」は、原爆ドームの目の前の川で色とりどりの灯篭を流すイベントです。イベント開催中は慰霊のための音楽が流れ、ゆったりと川を流れる灯篭を見ることができます。それに併せて原爆ドーム前の大通りではお祭りも開催され、出店などを楽しむこともできます。
作った灯篭を手流しできるなど、参加型の灯篭流しを体験できることから、多くの人たちが灯篭を持ち寄り「ピースメッセージとうろう流し」に参加します。また、開催日である8/6のお昼時には「広島平和記念式典」も実施されています。
作った灯篭を手流しできるなど、参加型の灯篭流しを体験できることから、多くの人たちが灯篭を持ち寄り「ピースメッセージとうろう流し」に参加します。また、開催日である8/6のお昼時には「広島平和記念式典」も実施されています。
イベント名 | ピースメッセージとうろう流し |
開催地 | 広島県広島市中区大手町 元安橋 |
開催日 | 例年8/6 |
開催時間 | 18:00~21:00 |
福島とうろう流し花火大会(福島県福島市)
花火大会と合わせて楽しめる灯篭流しのイベントとして有名な「福島とうろう流し花火大会」は、空に昇る花火、川を眺める燈篭など、年に一夜のみ味わえるきらびやかな景色を楽しめます。
広島県で古くから開催されている夏の風物詩であることから、日本全国から観光客が集まる人気のイベントです。
広島県で古くから開催されている夏の風物詩であることから、日本全国から観光客が集まる人気のイベントです。
イベント名 | 福島とうろう流し花火大会 |
開催地 | 福島県福島市渡利城向 |
開催日 | 例年8/17 |
開催時間 | 灯篭流し:18:30~19:45 花火打上:19:15~ |
まとめ
以上、夏に開催される死者を想う幻想的なイベント「灯篭流し」をご紹介しました。
広島への原爆投下をきっかけとして始まった死者と平和を願うイベント。川や海の上をたくさんの灯篭が流れる景色はフォトジェニック間違いなしの思い出に残るイベントとなっています。
日本の夏休み、そしてお盆の時期に開催されるイベントなので、この機会に参加してみてはどうでしょうか。
広島への原爆投下をきっかけとして始まった死者と平和を願うイベント。川や海の上をたくさんの灯篭が流れる景色はフォトジェニック間違いなしの思い出に残るイベントとなっています。
日本の夏休み、そしてお盆の時期に開催されるイベントなので、この機会に参加してみてはどうでしょうか。
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