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自然農法とは?

自然農法は岡田茂吉が提唱した「農薬や化学肥料を用いない農産物生産方法」にる始まります。一般的な農作物の育成に必要になる養分は、自然界さながらに枯れ草や藁から堆肥を作るため、肥料ないし農薬はいりません。また実践する人によっては、除草しない、耕さないといったストイックな農法スタイルを提唱している場合もあります。
自然農法の土作り
自然農法を行い作物を栽培するにあたってその出来を左右するもっとも重要な要素が作物を育てる土壌です。タネをまいて収穫まである程度の期間がかかる農業において、土をメインとした環境を理解しておくことは、非常に重要です。どんなアスリートも筋力なしでは華麗な技を表現できないように、土、およびその見識を深めない限り菜園や農業自体も長続きしないでしょう。
野菜づくりのための良い土の条件
野菜にとって良い土とは一体どんなものでしょう。土のことを知るためにはまず土の状態を知りましょう、その土が今までどんな歴史を経てきたのを知ることでどんな性格があり、ひいては何を栽培するのに適しているかなどが分かってきます。
また購入した無肥料の土を使用数場合は、土と合わせてクローバーなどの緑肥を植え時間をかけて自然環境に近い土壌を作っていくと良いでしょう。
畑での土づくりの基本|時期・順番・道具など
・土づくりの時期
畑の土作りを行う際はまず、その土地の風(風力や風向き)を知り、日のあたり方、水の流れ、p Hなどを頭に入れましょう。
土作りの時期は育てる作物によって大きく二つに分かれます。具体的な開始時期は春夏収穫(2月〜3月)と秋冬収穫(9月)の野菜によって異なるため、注意が必要です。
・土づくりのときにあると便利な道具
土作りの際にあると便利なものをご紹介します。
- 酸時計…土壌のpHを測る際に使用します。
- スコップ(シャベル)…土を起こしたり畝を作る際に使います。菜園や畑の規模に応じて大きさの違うものを取り揃えておくと良いです。
- 手袋…防水性加工のある菜園用のゴム手袋などがオススメです。軍手も安価で扱いやすいですが、細かな土が入ったり濡れることを考えるとあまりオススメしません。
- 長靴…絶対に長靴である必要はなく、捨てる前のスニーカーでも構いませんが、ここでも防水性がある方が勝手が良いです。
- 自然肥料など…始めての土作りの場合は腐葉土、米ぬか、油粕、お酢などを土壌の菌やpHを整えるために使用します。
畑での土づくりの基本|時期・順番・道具など
【1】土を耕す
天地返し(畑のみ)畑の上部の土とカブの土を入れ替えることで土中にいる菌を均一化、活性化し土を自然状態に近づけます。継続的に使用している畑では野菜の残りクズを取り除き、小石や土塊などがあれば砕いたり除去します。
【2】堆肥を入れる
天地返しを行う際、合わせて米ぬかや、油粕、腐葉土などを投入します。これは土中に住む菌類などの微生物の活動を活性化させ土中の栄養素の増加を促すためです。
【3】中和剤を混ぜて、酸度を調整する
堆肥と併せて酸度調整を行います。一般的に作物を作るのに適した土の酸度はpH6.0〜6.5程度が理想と言われており、数値が少なくなると酸性へ、高くなればアルカリ性の傾向があることになります。酸性に傾いている場合は苦土石灰や消石灰を混ぜて調節し、アルカリ性の場合はお酢などを混ぜて調整します。
【4】元肥を混ぜる
元肥(もとごえ)が必要な場合は、堆肥を入れてから2週間以降を目安に土にと混ぜるように施します。自然農法では肥料を与えることはしませんが、必要な場合は鶏糞やコーヒー粕などの天然の有機肥料を使われても良いと思います。
【5】畝を立てる
次に作物の種を蒔くための畝を作ります。畝の方向は南北に作るのが一般的です。風が強い土地の場合、両畝の端を背の高い作物などを配置して風避け効果を狙います。
【6】種まき
・作物の決定
育てる作物には相性がや性格があります。メインとなる作物の成長をサポートする作物や、相性が良い作物、土のコンディションをよくする作物など、配置や相互関係を考慮して選びます。
・種の購入
自然農法を実践する際、自家菜園で種を採取することになりますが、最初は販売されている自家採種固定種や在来種をお勧めします。同じ土地で種取りを繰り返すことで、その土地に適応していくと言われています。
・種まき
種まきは雨が降る前に行うのが一般的です。基本的にタネは適度な光を好むため、深く地中に埋める必要はありません。種まきのほか、種芋や子株を使って作付けする方法もあります。
【7】収穫
定期的に作物の状態を管理して適度に実り始めたら収穫します。自然農法にこだわらない場合は作物を育てるため雑草を刈ります。いきなり色々と制約をつけてやってみるのも良いですが、肝心の収穫の喜びを実感できないとモチベーションが続かないことも予想でき、徐々にご自身の実践よって理想の自然農法の形を探っていかれることをオススメします。
家庭菜園の基本は土づくり
ここまで解説をしましたが、そのうちのほとんどが土に言及していることからもいかに家庭菜園において土作りが大切になるかお分かりいただけたと思います。
作物にとってどんな土が心地よいのかを見極め、用意してあげることが最終的な収穫結果に繋がります。と言っても成長過程を確認しながらできるものでは無いため、事前の情報集めから、周辺の環境などもしっかり頭に入れて試行錯誤を繰り返しながら自分の土を作っていくしかなさそうです。
自然農法では雑草は抜かない
作物の栄養を横から掠め取る雑草。引っこ抜いてしまいたくなりますが、実は自然農法の中には雑草を抜かずに作物を育てる農法があります。
より森林などの自然環境を目指す自然農法では自然環境の中で起きる淘汰すら再現します。理由は淘汰に委ねることで、最終的にその土地に適した種子が残るためです。
可愛い子には旅をさせろと言いますが、自然界においても人の都合で余計な手を加えないことが自然農法らしい育成方法といえるかも知れません。
家庭菜園で自然農法を取り入れる
家庭菜園に自然農法を取り入れる場合、農業初心者がいきなり草抜きなし、肥料なしと制限づくしで行っても肝心の作物の実りに到達できないこともあると思います。
個人的なオススメとして、無理なく続けられる方法から自然農法の良さを取り入れられると良いと思います。
一朝一夕ではなし得ないことを念頭に、気を長く持って、数年、数十年かけて作り上げるようなものとして、ご自身のライフスタイルや自然との関わり合いをトライアンドエラーを繰り返しながら見つけてみてください。
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